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2015.09.13 Sunday

ギャッベは自宅で洗えるか?


今回の大雨被害に遭われたみなさまに心よりお見舞い申し上げます。
まだ行方不明の方もいらっしゃると聞きます。ご無事をお祈りしています。

* * *

またもや前回の記事から更新ができずご無沙汰していました。
ブログへのアクセスの検索キーワードに「ギャッベ 洗えるか」というのがありましたので
今回は自宅でのクリーニングについて書きたいと思います。

ただ、あくまでもトライバル・ラグ・マニアとしての個人的な意見ですので、
一番いいのは、その絨毯を購入されたお店に尋ねることだと思います。

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その1:ギャッベは自宅で水洗いできるか?

私の答えはズバリ「やめた方がいいと思います」。

日本で流通しているギャッベは一部を除いて天然染料のようなので、色流れの心配はあまりなさそうですが、
他に問題がいくつかあります。

まず、ギャッベには大量のウールが使われているので、水に浸すと殺人的な重さになること。
つぎに、毛足が長くウールがびっちり詰まっているため、根元まできちんと洗えません
そして、上記と同じ理由から、根元までしっかり乾かせない

ギャッベ専門店では水洗いクリーニングの業者を紹介されているようなので、プロに頼むのが一番だと思います。

その2:ウールの絨毯はそんなに洗わなくてもいい

一般に日本人は洗濯が好きですが、ウールの絨毯はそれほど頻繁に洗わなくていいんです。

敷きっぱなしの絨毯の上にダイニングセットを置く生活をされている場合などは、
数年に一度の業者クリーニングをした方がいいかもしれませんが、

たとえば椅子に座布団サイズのギャッベを敷いていて
「ちょっとうす汚れたかな?」と思う程度なら、水洗いの前にトライしてほしいのは、

タオルを薄めの重曹水に浸し、硬く絞ってキャッベの表面を拭く。
あるいは日々のお手入れとして、洋服ブラシなどでパイルの内側まで、しっかりブラシをかける。
といったことです。

ウールは、最初は遊び毛がでますが、一定期間使うと表面のケバが取れてツルツルになります。
天然の脂であるラノリンが汚れをはじき返すので、ウールの糸そのものにはあまり汚れがつかなくなり、
むしろウールの糸と糸の間に入り込んだホコリが底の方に溜まるのです。

トライバル・ラグは織りの構造が違うので、このホコリさえほとんど溜まりませんが、
日本で売られているギャッベのほとんどは、ホコリが溜まる構造になっています。

一番いいのは、汚れたなあ、と感じる前に、こまめにブラッシングをしてホコリを溜めないことです。
床に敷いている場合は丁寧に掃除機をかけ、溜まっていくホコリをできるだけ少なくすること。

その3:オールド絨毯の水洗いには注意

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流通している数はギャッベに比べると少ないでしょうが、
初期の化学染料が使われたオールド絨毯やオールドキリムも流通しています。

いまでは化学染料も改良されて、日光による褪色や水流れの欠点はかなり解消されましたが、
初期の化学染料が使われている絨毯やキリムは、水洗いしない方が賢明です。

たとえばこのトルコのヤスツゥクは、オレンジが色流れして白い部分やフリンジに色移りしています。
洗って色が薄くなるだけならいいのですが、流れた色が白や薄い色に移ってしまうと困ります。

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これはバルーチのバーリシトですが、赤や緑やグレーは化学染料だと思います。
おなじ化学染料でも、たぶんクロム染料で色流れしないはず。

ただし、かなりの数の絨毯を見ないと、天然染料か化学染料か、色流れするかしないかは判断できないと思いますので、
(もちろん私だってわからない場合も多いです。
「典型的な色合い」を一定数把握して「少しだけわかる」という程度)

購入した業者さんに尋ねる
それが無理なら水洗いはしない
それよりも、汚れる前にブラッシング!

が、わたしのオススメする方法です。
 
2015.06.28 Sunday

除湿機フル稼働ちう


当地では今日はなんとか晴れですが、昨日などは湿度90%状態!(笑)
「必要以上に絨毯を持ってしまっている」身としては、一番気を使うシーズンです。

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清楚な紫陽花が目を楽しませてくれるし、

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先週行った笠間日動美術館、庭の緑がいっそう輝き、「雨もまた良し」という印象でした。

* * *

しかし! 湿度と虫が最大の敵である毛織物にとっては過酷な季節!

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生活感あふれるお見苦しい写真でスミマセンが、大型キリムを収納してある棚。

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すぐそばの棚の上には、トルクメンやビジャーなど小〜中くらいの大きさの絨毯の一部が。

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今年あらたに購入したナノイーつき除湿機にがんばってもらって、すこしでも毛織物の湿度を下げています。

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より大型の絨毯を置いてある「絨毯サマのお部屋」には、もう一台の古い除湿機に力を借りています。

農作物などにとっては恵みの雨雨ですが、
「絨毯野郎」いや「絨毯野女?」のワタシにとっては、できるだけ早く終わってほしい梅雨。
もう少しの辛抱かなあ〜。

* * *

さて、ここまで絨毯中毒ではない、
快適な暮らしのための枚数をキープされているみなさまにとっての絨毯湿気対策を考えてみました。

ある意味当たり前の使い方として、絨毯をお部屋に敷いている場合は、
ときどき掃除機をかけてあげていれば、普通は問題ないでしょう。
ウールは呼吸をしているので、ある程度の湿度なら自然に出し入れをして調整してくれます。

梅雨が終わって空気が乾燥したら、敷きっぱなしの絨毯を裏返しにして、裏側を空気に当ててあげると湿気が逃げていきます。
できれば半日ほど裏返しにしておくと、厚めの絨毯は底に溜まっていたホコリが浮き上がってくるので、
表にした後、念入りに掃除機をかけてあげてください。

梅雨どきから夏にかけて、絨毯を一時的にしまわれる場合は、
折り畳まずに巻いて保管するのが、ダメージが少なくてすみます。
とりわけ都市工房で織られた絨毯の大部分は、デプレスがかかっています(立体的な構造になっている)ので、
折り畳んでしまうと、タテ糸・ヨコ糸・パイル糸が圧力を受けて痛みます。

* * *

「絨毯と湿気」といえば、梅雨どきでなくても注意する時期があります。
それは湿度が低いはずの「冬」! 盲点は「結露」です。

大枚はたいて購入したシルクの絨毯を使うのがもったいないので
物置とか納屋に保管しておいたら、結露のせいで絨毯が朽ちてしまった、という泣くに泣けない話があります。
これはシルクだけでなく、ウールの絨毯でも同じでしょう。

湿度以外にも、空気の流れのない場所にも注意が必要です。
大型キリムをトランクルームに保管しておいたら、
夏の間に虫が湧き、おまけにどんどん繁殖した結果、
キリムは跡形も無く食い尽くされて、おびただしい虫が群れ飛んでいた、というホラーな話。

湿度と虫に大切な毛織物をやられないために、
ときどきお手入れしてあげてくださいね。


 
2015.05.01 Friday

SUN SUN SUN ! 絨毯のお手入れ


絨毯をコレクションするうえで気をつけなければいけないのは、湿気と害虫です。
なので、年に最低二回は日に当てるようにしています。

きょうは絶好の絨毯干し日和!

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まずはバルーチの大きめのものから‥‥

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去年の冬の暖かい日に干して以来かもしれません。

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物干し竿には、少し小ぶりのバルーチ。

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バルーチにもいろんなタイプのプレイヤーラグがあります。

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キャメルフィールドのこのタイプはバルーチの代表的な祈祷用絨毯。

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最初の絨毯を取り込んで、第二弾。

一番右のはとってもお茶目なボテ文様。
ホラサン地方のバルーチ絨毯に比べて織地が若干厚めな「クルド・バルーチ」と呼ばれるタイプです。

クルド族のなかにバルーチタイプの絨毯を織るグループがいるとのことですが、実態はよくわかりません。
キリムエンドにこのようなジジムを織り込むことは、クルド族の毛織物によく見られますが、
バルーチ族の毛織物にはほとんど見られないので、
やっぱりクルド族が織った可能性が高いでしょう。

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左の二枚はバルーチ・タイプでも「タイムリ」と呼ばれるグループのもので、厳密にはバルーチ族ではありません。
だから「バルーチ・タイプ」の絨毯には、バルーチ、タイムリ、クルドなどイロイロあるということなのです。

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第三弾! 色鮮やかなトルコ絨毯。
左の二枚は東トルコ、真ん中はムジュール、右の二枚はクルシェヒル。

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バルーチもそうだけれど、最近はこういう絨毯がめっきり市場から消えました。
かつての自分のクレイジーさ加減を振り返って、
「たしかに常軌を逸していたかもしれないけれど、こういう絨毯を手にいれる最後の機会だったかも」
という思いはあります。

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物干し竿、第二弾!
上段、左はコンヤ、右はミラス、
下段、左からカシュガイ、バルーチ、バルーチ。

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一番奥の列の左がハムセ、右がバルーチ、真ん中の列は2枚ともバルーチです。

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もうひと頑張りしなくっちゃ!
‥‥まだまだ虫干しはつづきます。

お日さまに感謝! 晴れ
2013.09.25 Wednesday

絨毯・キリムを自宅で洗う注意事項


ここのところ、なんだかブログを書く気力がなくなっていて、
前回も投げやりな記事を書いてしまいハンセイしています。<(_ _)>

ちょっと休もうかなとも思っているのですが、訪れてくださっている方の検索ワードに
「絨毯を自宅で洗う」というのが何件かありましたので、
私が気をつけていることを書きたいと思います。

* * *

一番大切なのは、自分で洗えるモノかどうかを見きわめることでしょう。
自分で洗えるものならば、まず大きな失敗はないと思います。

<洗えないもの>

・パイルがシルクの絨毯→素人には無理だと思います。
専門のクリーニング業者さんに頼みましょう。

・アニリン染料など初期の化学染料が使われているもの→
最近の改良された化学染料はたいてい大丈夫ですが、
1930年代〜40年代頃使われた化学染料には色流れするものが多いようです。
白っぽい部分が流れた染料に染まり、いったん染まるとそれを除去するのは至難の業です。

・面積が大きいもの
水につけるととても重くなりますので、自分が体力的に大丈夫かどうか考えましょう。
キリムは水につけるとカチカチになります。曲げることはできますが、やや扱いにくくなります。
洗った後、いかに早く乾かすことができるかも大切なので、洗濯機で脱水できるかどうかもチェック。

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たとえばこの東トルコの絨毯は220cm×120cmと大きく、パイルもそれなりにあるので
絨毯の水洗いをしてくれる業者に頼みました。

パイルの長い絨毯→
上記の「重さ」のほか、パイルの中に詰まった汚れを取り除けるか、という問題もあります。
ギャッベを購入される方が増えていますが、ギャッベはその典型です。

パイルの厚みがそれほどでない場合、浴槽に入れて踏み洗いしたり、
シューズブラシでパイルをこすったりすることで、ある程度きれいにすることが可能ですが、
密に植わった長いパイルの絨毯は、長年蓄積した汚れが取れないケースがあります。

専門の機材や道具を使って中の汚れを掻き出す技術を持っている専門業者に頼んだ方がいいでしょう。

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これも東トルコの絨毯で、パイルもそれなりにありますが、167cm×95cmでしたので、
浴槽で必死に踏み洗いしたあと脱水にかけ、ベランダで乾かしました。
カラッと晴れたお天気を狙って洗ったのですが、
朝早くに洗濯をして乾かしても、パイルの中には意外と水分が残っていますから
次の日もベランダに干しておきました。
水分は絨毯の大敵ですので、くれぐれもしっかり乾かしてくださいね。

* * *

これまでの洗濯関連の記事をピックアップしました。
くれぐれも「自分で洗ってはいけないもの」を洗わないようにしてくださいね!

はじめて自分で絨毯を洗うなら、手軽なものからどうぞ。バッグフェイスの洗濯

大きくても薄いので洗いやすかった、シャルキョイキリムを洗いました

初期の化学染料のものの注意として、アイドゥン・キリム オレンジの色流れ

薄いけれど、すごい汚れの絨毯の洗濯は、ここまで汚れた絨毯の洗濯

自分で洗って絨毯やキリムがキレイになったときの満足感はなんとも言えません。
……でも大切なピースを台なしにしてしまわないようくれぐれも気をつけて!


2012.10.26 Friday

アンティーク絨毯のお手入れ


お知らせ

ふつつかなこのブログを見てくださっているみなさま、いつもありがとうございます。
これから一か月ほど新しい記事をアップすることができませんが、
11月末か12月初めには復帰して、絨毯・キリムネタを書かせていただきますので
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

* * *

10日間にわたって開かれた"The Balochi"においでいただいたみなさま、
遠くて参加できなかったけれど応援してくださったみなさま、
本当にありがとうございました。

* * *

さて、展示会に出品していたバローチ絨毯たちが火曜日に戻ってきました。
「おかえり〜」と梱包をほどき、休ませていたのですが
きょうは絶好の秋晴れだったので、日向ぼっこをさせてあげました。

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これらのラグは推定100年〜150年ほどのアンティーク絨毯なので、
お手入れは、若い絨毯よりも気を使ってあげる必要があります。

特に"Dokhto-e-Ghazi"などは、もともと薄いうえに150年ちかい年月が経っていますので
掃除機はもってのほかですし、布団叩きで叩くのも厳禁です。

縦糸の太さや織り目の細かさなどによって、比較的コンディションの良い絨毯もありますが
できるだけやさしく取り扱った方がよいでしょう。

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わたしのおススメは「洋服ブラシ」です。
絨毯の表面についているホコリなど、
スーツやコートをお手入れする感覚で、ブラシをかけてあげます。

じゅうたんの織り目に沿って、やさしーく撫でるように、丁寧にかけていきます。
パイルの中でよどんでいる空気もいっしょに掻きだす感じで。
ウールは生きていますから、織り目の中に新鮮な空気を通してあげましょう。

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あたたかなおひさまに、パイルが「気持ちいい〜」と言っているようです。

ただし気をつけるのは、あまり長時間干さないこと。
天然染料といえども、強い紫外線を長時間受けるのは、あまりよいことではありません。
特に赤系の染料が紫外線には弱いようです。

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きょうは最高の絨毯干し日和でしたので、
絨毯の表と裏がまんべんなく日に当たるようにして、一時間ほどにとどめました。

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こちらは小型の絨毯を物干しざおに干しているところ。

手前の"Dokhto-e-Ghazi"や真ん中の竿の絨毯などは、パイルがほとんどなくなっているため
洋服ブラシも多少は使いましたが、「手」を使うほうがいい感じ。
両手でやさし〜く撫でるようにして空気を通してあげます。

こうやって絨毯とスキンシップすると、いっそう愛着がわいてくるのです。(笑)

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プレイヤー・ラグたちを引きあげた後も、
「こんないい天気を逃す手はない!」っと思って、ひたすら絨毯を干しつづけました。

日に当てるのはそれぞれにつき、やはり1時間程度。
その後、部屋に取り込んで繊維を整え、防虫剤と乾燥剤をセットして収納します。

はー、それにしても大量の絨毯やキリムをあっち運びこっち運びして疲れました。
絨毯のコレクションって、けっこう体力要るんですよね。

体力と収納場所と資金のいずれも限界のワタシ。
さあー、これからどうしましょう?

* * *

映画「サウンド・オブ・ミュージック」のあまりにも有名な曲。
新米家庭教師のマリアが雷でおびえる子どもたちにこの歌を歌って聞かせ
いっぺんで仲良くなっちゃうシーン。

My favorite things

Raindrops on roses and whiskers on kittens;
Bright copper kettles and warm woolen mittens;
Brown paper packages tied up with strings;
These are a few of my favorite things.

Cream-colored ponies and crisp apple strudels;
Doorbells and sleigh bells and schnitzel with noodles;
Wild geese that fly with the moon on their wings;
These are a few of my favorite things.

Girls in white dresses with blue satin sashes;
Snowflakes that stay on my nose and eyelashes;
Silver-white winters that melt into springs;
These are a few of my favorite things.

When the dog bites,
When the bee stings,
When I'm feeling sad,
I simply remember my favorite things,
And then I don't feel so bad.


バラにかかる雨のしずくに、子猫のおひげ
ピカピカの銅のやかんに、あったかい毛糸のミトン
キュッと紐をかけた茶色い紙のパッケージ
こんな感じのものが好き

クリーム色の子馬に、サクサクのアップルパイ
玄関の呼び鈴にそりの鈴、それからヌードルつきの仔牛のカツ
月の光を翼にうけながら飛ぶ雁の群れ
こんな感じのものが好き

青いサテンのリボンをつけた白いドレスの女の子
お鼻とまつげに積もる雪のひとひら
冬の銀世界がやがて解けてむかえる春
こんな感じのものが好き

犬にガブって噛まれても
蜂にチクって刺されても
悲しくなったら、じぶんの好きなものを思い浮かべるわ
そしたら、そんなに悲観することはないって思えるの

* * *

みなさま、それではお元気で〜!

2012.09.08 Saturday

ここまで汚れた絨毯の洗濯


warning!  今回のブログ、キタナイものを見たくない人は見ないでください!



暑かった夏もそろそろ終わりですね。
節電効果をかねてつくったグリーンカーテンに、ずいぶん助けられました。
苗が伸びはじめたころ、一度強風でズタズタになったのですが
みごとに復活して、こんなに立派にそだったんですよ。



小さな実をつけるゴーヤー、自然界だと種が大地に散らばって、子孫をつくっていくのでしょう。



酷暑の中でよくがんばったジャスミンが白い花をつけ、とても良い香りを放っています。
植物は強いなあ……

* * *

さて、今回はチョー汚れた絨毯を洗いましという記事です。



これが購入前の写真。
購入元のイギリスのディーラーは「とても汚れているが、洗ったらすばらしくなる」と説明していました。
値段もリーズナブルだったし、わたしは洗濯が好きなので「いっちょ、洗ったろう!」と購入。

自分で洗えるか洗えないかの判断は、つぎのような点がポイントになります。

‖腓さと厚みを見て、自分の力で扱える範囲か
∋箸錣譴討い訐料が天然染料で、色落ちの心配がないか
自分のような素人が洗っても、大きくコンディションをそこねないか

今回はプレイヤーラグの中では大きめ(約113×155cm)ですが、
バルーチ系(これはTimuriだと思います)の古い絨毯はあまり厚くないので、なんとかいけると判断。



ぬるま湯に一回目の投入。 がーん! それにしてもすごい汚れ方! 

受け取って包みを開いた段階であまりに汚れている絨毯は、家の中ではなくベランダに出しておきます。
その日の天候を見て、いざお風呂で洗う準備ができたら意を決して洗濯開始。

さて、私が経験した範囲では、汚れにはいくつかのタイプがあります。

1.絨毯の中に「土や砂」がたまっているもの→コンディションのよい絨毯なら布団叩きで落とせる
2.壁に長年張り付けられていたもの→空気中の汚れが蓄積しているので水洗いが必要
3.欧米で床に敷いて使われていたもの→土はあまり含まれていないが汚れが蓄積していて水洗い必要

この絨毯の場合は「3」ですかね……



汚れが激しいのでドライクリーニング用のつけ置き洗剤ではなく、「大豆石けん」で洗いました。
ほとんど泥水です。
一回目の石けん水を流し、新しい石けん水につけ、ひたすら踏み洗いをしました。



水を取り替えること、5,6回で、ようやく濁りがなくなりました。



でひー、こんなにパイルが取れちゃいました。
乱暴といえば乱暴な洗いかた。



シャキーン! 脱水機にかけて、丸めることによって絨毯の繊維を整えます。



たたんだり...



手でのばしたり...



表面の汚れが取れて、きれいな色が現れました...

 

強い日差しの真夏は、絨毯を乾かすのに絶好の季節。



あー、キレイになったね〜!



ミヒラブの先端の中も...



その左右のフレームの中も...



ボーダーも...



どう? キレイになったでしょ?



みちがえるほど、生き生きとしました。
繊維が息を吹き返した感じです。



お疲れさま〜!

2012.06.08 Friday

絨毯の保管について


一年半ほど前から近所を散歩するのが楽しみになりました。
金太郎飴のようなニュータウンではありますが、すぐそばに緑ゆたかな里山もあります。



紫陽花も色づきはじめて、もうすぐ梅雨入りですね。



これは一週間前の写真。
あっという間に花が大きくなって、もうすぐ咲きはじめそうです。



あ"ー! 
すべてのあめつちを潤すこの梅雨も、しかし絨毯にとっては大敵なのであります。

* * *

トルクメンの新刊本に、コレクターであるペーター・ホフマイヤー氏の「前言」があり、
コレクションを保管するうえでの注意点なども書かれていますので、一部をご紹介したいと思います。

・絨毯を保管する部屋は乾燥していなければならない。湿度は絨毯やテキスタイルにとって有害である。
寒い時期の結露にも気をつけること。

・折り目からダメージがひろがっていくので、絨毯は折ったまま保管してはならない。巻いて保管すること。

・イガ(害虫)はコレクターにとって悪夢である。
家の外から飛んできたり、訪問客にくっついて入ってくる場合もある。
かれらはウールや髪の毛のケラチンを食べるのだが、その匂いに引き寄せられてやってくる。
古いフェルト帽を、絨毯を保管してある部屋の暗がりやカップボードの下に置いておくと
かれらを一番先にそこで見つけることができる。

・あらたにコレクションを購入して迎えいれる時は要注意である。
絨毯を洗うことは必ずしも虫の撲滅を意味しない。
一番いいのは冷凍庫に入れることである。
絨毯を衛生的にくるんで、あなたの肉屋の冷凍庫に−24℃で1週間保管してもらいなさい。

絨毯に殺虫剤をかける方法もあるが、万人がそれを好むとは思われない。

・私はどうしているかといえば、クスノキで作ったチェストを中国で購入して使っている。
これは(人間にとっては)いい匂いがする一方で、虫たちは嫌がる。
高温多湿な日本では、繊細な絹の刺繍製品などの保管にこれが使われていたと聞く。

・絨毯が汚れたままだと傷みが早くなるので、私は余暇に絨毯をよく洗ったものである。

・絨毯は強い光を浴びつづけると褪色するので注意すること。

・絨毯の繊維は媒染剤を使った瞬間から(ゆっくりと)ダメージが進みはじめる。
年代のきわめて古い絨毯はその上を歩くべきではない。
折りたたんだり、ブラシをかけたり、取り出すときに引っ張ったりするのもよくない。
尊敬を持って絨毯を扱うように。

* * *

まあこんな内容のことが書いてありますが、目が点になったのは赤字の部分。
少なくてもウチの近所にはお肉屋さんというものがないし、仮にあったとしても、
「あのう、ちょっとお願いがあるんですが……」
「なんですか、お客さん」
「すみませんが、この絨毯をお宅の冷凍庫で一週間保管していただけませんでしょうか?」
「……ハア?!」
(以下、省略)

ゼッタイ、ムリだよな、こりゃ。



……というわけで、絨毯に気を使いながら、梅雨の季節を乗り切っていきたいと思います。
熊谷守一の書です。
じつにのびのびとしていい字ですね。


これは雨粒。
♪ ピチピチ チャプチャプ ランランラン 〜♪



水滴。
なんという自由な精神だろう。

梅雨もまた楽し。


2012.04.28 Saturday

シャルキョイキリムを洗いました


きょうはお天気が良かったので大きなキリムを洗いました。
先日ベッサラビア・キリムを譲ってもらったルーマニアのディーラーから、
大きなシャルキョイのフラグメントを購入したのですが、少し汚れが気になります。

シャルキョイ・キリムにはかなり大きなものもあって、このフラグメントも
もとは3m×4mほどの大きさだったと思われます。
購入したフラグメントは全体の約半分をさらに二つに切り分けたもの。



小さいほう。180cm×97cm。



大きいほう。230cm×183cm。

シャルキョイ・キリムのよいものは、現在ほとんどコレクターの手元にあるのではないでしょうか?
古くて良いものは、なかなか市場に出てきませんし、出てきたとしても大変な高値です。
このフラグメントはキリム・ビジネスからやや距離があるルーマニアから出てきたため、リーズナブルな価格で手に入れました。

さて洗濯方法ですが、このキリムにはほんの少し化学染料が使われているようです。
もとは青紫色あるいはニコルソン・ブルーとか呼ばれた青色のような感じですが、
褪色して薄いグレーになっているので自分で洗っても大丈夫だと判断しました。

問題はコンディションです。
上の写真で白っぽいところは横糸が全般に薄くなっていて、白い経糸が見えている状態です。
小さな穴もあちこちにあって、このコンディションで踏み洗いなどはやめた方がよさそうです。
自分のセーターなどを洗った感触から、これなら大丈夫そうだと思いましたので、
市販の「ドライ・マーク衣料も洗える」つけおきの合成洗剤を使ってみました。


基本はつけ置きで、糸の間の汚れを出すため、すこしだけ振り洗いしました。
やっぱり、けっこう汚れていました。



シャルキョイ・キリムは薄いので腰を痛めるほどの重さではありませんが、
洗った後バスタブのへりにかけて水を落としてから、脱水に入ります。



洗い終わって、乾かします。
以前ご紹介した「大豆石けん」はウールに艶が出てとてもいいのですが、
今回は合成洗剤だから、ちょっとドライな洗い上がりかな?
でもコンディションを考えると仕方ありません。悪くはないと思います。



ほぼ乾いた状態です。
草の緑と合わせると、シャルキョイの赤が引き立ちますね。



コチニールを使った深紅に近い赤。
右下の鳥は、名づけて「岡本かの子」ドリ!



洗ったあともところどころ赤が変色した部分が見られます。
でも黄色と濃紺のサソリのモチーフや枝の花々の描写がとても気に入っています。



シャルキョイのデザインはパターン化されたものが多く、このデザインもよく見られるものですが、
年代が若くなるにつれて花や枝などの線が硬くなり、生き生きとしたものが少なくなるようです。
バルーチやトルクメンなどのトライバルラグやアナトリアキリムなど、総体として
色も冴えなくなりますが、織りのモチーフから「生命力」が失われていくような気がしてなりません。



上下逆になっていますが、このサソリのモチーフの大らかさ!



織りに勢いとリズムが感じられます。



ふっくらと洗いあがってい〜い気持ち。


2011.05.15 Sunday

バッグフェイスの洗濯

ご無沙汰していましたが 、きょうは天気がよかったので
バッグフェイスを洗濯しました。



洗ったのは、このカシュカイのバッグフェイス。
50cm角程度の小さいものなので、洗うのも楽です。
すごく汚れていたわけではありませんが、
フリンジのところが薄汚れており、「そのうち洗おう」と思っていました。



一般的にキリムや絨毯は中性液体洗剤で洗うことが多いようです。
わたしも最初はそうでしたが、プロの絨毯クリーニングにも使われている
「大豆石けん」がネットで購入できることを知り、いまはこれを使っています。
大豆特有の臭いがありますが、ウールの艶を失わずに洗えるようです。
臭いも数カ月たてば自然に消えます。



お風呂に絨毯が浸る程度の水を張ります。
ぬるま湯のほうが汚れは落ちます。
絨毯やキリムを洗う場合、天然染料か初期の化学染料かが大きな問題になります。

すべて天然染料と思われる場合には、まず問題ありませんが、
わたしは一度1930年代ごろのトルコキリムを水洗いして、
化学染料が流れて他の部分が染まり、大失敗したことがあります。



やっぱり、かなり汚れていました。
これは染料ではなく、汚れの色です。
しばらく水につけ置きした後、じゅうたんはブラシで「しごき洗い」をします。
これはパイルのなかの汚れを掻きだすためです。
キリムでしたら、足で踏み洗いするだけでもかなりきれいになります。


すすぎ洗いをしたあと、脱水機にかけます。



絨毯でもキリムでも、洗った後はカチカチに硬くなります。
曲がった繊維を整えてまっすぐにします。



丸めてやると繊維が落ちつきやすいようです。


外に干します。
「お風呂あがり」で、じゅうたんも気持ちよさそう。



乾いたじゅうたんは、洗う前に比べてしっとりと柔らかくなりました。



うす汚れていたフリンジもふっくらとして、きれいになりました。



艶がいっそう出て、天然染料も輝きを増したように見えます。


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