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2017.11.18 Saturday

ギャラリートーク2回目 続編

 

ギャラリートーク2回目のつづきです。

 

<遊牧民絨毯の意匠について>

 

本来、遊牧民の絨毯は工房の絨毯のような「下絵」を使いません。

女性は幼いときから教わった、比較的簡単なモチーフをそらで覚えています。

部族に伝わる伝統的な様式に沿うかたちで、

モチーフを自分なりに組み合わせながら絨毯を織るのです。

 

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右側の絨毯を、仮にカシュガイ族の「絨毯1」と呼びます。

「七面鳥」のように見える赤いモチーフは、カシュガイ族の伝統的な文様です。

「スカラベ」だと考える人、「カニ」「カメ」という人、文様に関してはいろんな説があり、

個人的には勉強不足で、自信を持っていうところまで至っていません。

 

ボーダーの文様は、カシュガイ族だけでなく、ルリ族やハムセ連合の絨毯にも見られますし、

フィールド内のモチーフである星や花、鳥や動物は、南ペルシア一帯の遊牧民によって広く使われています。

 

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この絨毯のポイントとして、染めが美しいこと、配色が上手なことが挙げられます。

 

その上で、そらで記憶しているモチーフを組み合わせて夢のある全体像をつくり上げていると思います。

 

ここで強調したいのは、おそらくこの絨毯は「下絵」なしで織られたのだろうということです。

(「ワギレ」と呼ばれる「織り見本」は使ったかもしれませんが)

 

都市工房の絨毯では、専門のデザイナーが考案した「下絵」を方眼紙にトレースし、

織り子はその方眼紙を見ながら織り進めていきます。

その際大切なのは、方眼紙通りに、歪みなく織っていくことであって、

どうすれば全体の構図がよくなるだろうかといった、「手織り作業」以外のことは考えません。

 

一方で「下絵」を使わない遊牧民の絨毯は、全体図を意識しながら織らなければ良い絨毯は織れないのです。

頭のなかに「下絵」というか「イメージ図」のようなものはあるでしょう。

けれども方眼紙を使わずに、イメージ通りの絨毯を織るということがどれほど難しいものか、想像してみましょう。

 

上の写真を見てください。

大きなモチーフ、小さなモチーフ、直線、曲線(のように見える線)、色の取り合わせ、、、

どれとどれを組み合わせていけば、綺麗に見えるか、楽しい絨毯になるか、

織っている女性がどれだけ苦心して、想像力を働かせながら作業を進めたかーー

 

わたしたちもそんなことを考えながら絨毯を眺めると、もっと楽しめるかもしれません。

 

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こちらもカシュガイ族の絨毯で、仮に「絨毯2」と呼びます。

これが「下絵なし」で織られたと考えると、これはもう、特別な絨毯です。

 

「絨毯1」は綺麗ですが、「鑑賞」するつもりでじっくりと眺めていると、やや単調な印象も受けます。

たとえば左上の4分の1をじっと見ていると、菱形モチーフが多用されていて「工夫するのに疲れちゃったかな?」という感じ。

 

それに比べて「絨毯2」のモチーフの多様さや組み合わせ、配色を見ていると、

最初から最後まで心地よいリズム感が継続し、優しさと楽しさが感じられます。

 

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「絨毯1」もまずまずの絨毯ですが、比べてみると「絨毯2」がどれだけ素晴らしいかがわかります。

 

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ボーダーもご覧ください。

どこを見ても細やかな工夫がなされ、織り手の想いが込められているように感じます。

「方眼紙」なしにこれほどの絨毯を織った女性は、どんな人だったんでしょうか。きらきら

 

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「華やかな絨毯」「綺麗な絨毯」、、、いろいろな絨毯がありますね。

遊牧民の絨毯なら、「楽しい絨毯」「力強さを感じる絨毯」などと形容できるものもありますが、

「気品が感じられる絨毯」というのは、めったにありません。

この絨毯には、気品があります。

 

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さて、こちらは「ハムセ連合」と呼ばれる部族連合の絨毯です。

仮に「絨毯3」と呼びます。

 

「絨毯1、2」がおそらく「下絵」を使わなかったのに対して、

この絨毯は「下絵」に近いものか、もしくは「織り見本」を使って織られたのではないかと思います。

というのは、この「ボテ文様」はかなり複雑で、「そらで覚える」レベルではないからです。

 

1回目のギャラリートークでは、この絨毯に関して

織っているうちにタテ糸が足りなくなったことに気づき、一番上の5列目のボテを小さくせざるを得ず、

「4.5ボテ絨毯」になっているという話をしました。

 

なので仮に「下絵」が使われたとしても、

工房のような正確な「下絵」ではなく「デザイン画」のようなものか、

「見本の絨毯」を見ながら織ったものか、という可能性が高いのではないでしょうか。

 

私が手に持っているのは、19世紀にケルマンで織られたショールのフラグメントです。

 

インドのカシミール地方で織られていたカシミールショールが19世紀にヨーロッパで大流行し、

イランのケルマンでもカシミールショールのコピー品が織られるようになりました。

 

もとはショールのモチーフであったボテ文様が、やがて絨毯にも使われるようになり、

下のようなケルマン絨毯が織られます。

 

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"CARPET MAGIC" by Jon Thompson より ケルマン絨毯 推定1900年頃

 

このようなケルマン絨毯の意匠がやがて遊牧民にも伝わり、それを真似た絨毯が織られるようになりました。

 

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"FLOWERS OF THE DESERT" by Jhon J. Collins, Jr より

ハムセ連合 推定1900年頃

 

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同上 ハムセ連合 推定1880年頃

 

上のケルマン絨毯とハムセ連合の絨毯2枚とを比べると、まずボーダーが違いますが、

ボテ文様自体も、写実的なものからやや抽象化されたものへと変化していますね。

 

そして今回の展示会の「絨毯3」はさらに抽象化され、モダンといってもいいボテに変化しています。

 

このように遊牧民の絨毯でも、部族に長年伝わってきた固有の文様もあれば、

当時の流行に影響を受けて生まれたデザインもあるんですね。

 

* * *

 

 

‥‥とまあ、2回目のギャラリートークはこんな感じでした。

 

2017.11.10 Friday

ギャラリートーク2回目 2017.10.14

 

ギャラリートーク2回目の記事です。

 

1回目のトークに来てくださったのは主婦の方が中心で、

絨毯好きの知人があたたかく見守ってくれていたので、比較的落ち着いて話をすることができました。

 

でも2回目はいかにも絨毯に詳しそうな男性(面識がない方)が3人ほど、

「ヤバ! いいかげんなこと喋ったら『嘘つけ!』って怒られるかも‥‥」と怖気づき、

人数も最初15人くらいではじまって、やがて20人くらいに‥‥アセアセ

 

おまけに、絨毯展には絶対来ないと思っていた下の息子が彼女を連れて参加! 

トークの日は知らせていなかったのにナゼ?! と思いきや、

いつのまにかブログを見つけて読んでいたらしい。

「かあちゃんのブログ笑える〜! 『テヘ』とか書いてあるし」ゆう★

 

そんなこんなで、わずかなコトで動揺する私の「アワアワ」が炸裂! マジで

話している途中も「アレ? 次ナニ話すんだっけ?」とフリーズ。

でも話しているうちに、みなさん好意を持ってくださっているのがわかってきて

なんとかトークを無事終えることができました。

 

参加してくださったみなさま、ありがとうございました。ハート

 

* * *

 

さて、内容です。(今回も一部加筆してあります)

 

<なぜ古い絨毯が好きになったのか?>

 

この会場に展示してあるのは、19世紀末に織られたと推定されるものが大半を占めています。

 

絨毯との最初の関わりは、新しく織られたギャッベだったわけですが、

やがて、織られて数十年経ったオールド絨毯の魅力に惹かれてゆき、

さらにはそれでも物足りなくなり、100年を超えるアンティーク絨毯を追い求めるようになりました。

 

なぜ古い絨毯に魅力を感じるかというと、

まずウールという素材が、使うにつれて表面の毛羽が取れ、ツヤが出てくる点があります。

シルクの絨毯は最初からツヤがありますが、ウールの絨毯は時間をかけてツヤが出てくるんですね。

 

そしてだんだん化学染料と天然染料の違いがわかってくるようになりました。

天然染料の場合は、時間とともに色がより一層美しくなるんです。

 

なぜ「草木染め」と言わずに「天然染料」と言うかというと、

植物由来以外にも「コチニール」などの「昆虫染料」も含まれるからです。

 

日本の草木染めは、わりと穏やかな色が多いようですが、

中東地域の天然染料は、わりと濃い色が好まれます。

それが時間とともに余分な染料が落ちるとともに、

「色褪せる」というよりは「熟成する」といった方がいい変化を見せます。

 

また、ちょっと表現しにくいんですが、「古いものが時間とともに身に纏う雰囲気」というものがあります。

たとえば数年前に実家に帰ったとき、母が私のお雛様を飾ってくれていたんですが、

「あれっ? 昔はこんなに良いお雛様だとは思わなかったんだけど、

なんだかいい感じになってる」と思ったことがありました。

お雛様が50数年という歳月のなかで「何か」を身に纏ったのかもしれません。

 

<古いものならなんでも良いわけじゃない>

 

では、古い絨毯ならなんでも良いかというと、そんなことはないんです。

 

一般論としてアンティーク絨毯は、糸の質や染料、文様の力強さなどが優れていると言われます。

でも昔だって、質の良くないウールもあったでしょうし、

織りの技術がイマイチだったり、バランスの悪い意匠の絨毯もたくさんあったと思います。

 

ただ、そういう絨毯はたとえば「敷物」としての「使用価値」がなくなると、

自然と廃棄されていったんではないでしょうか?

絨毯は役目を果たして、その一生を終えていったんだと思います。

 

一方、かなり痛んでしまったけれど、なお見事な手仕事である、捨てるに忍びない、

と思われたものは、フラグメントとしてでも生き残っていきます。

そうやって淘汰されて残っているアンティークは、

残るべくして残ったという部分があると思うのです。

 

* * *

 

<嫁入り道具としての染織に優れたものが多い>

 

[  その1 名古屋の嫁入りとトルコの村に残る風習  ]

 

遊牧民の染織をこうして集めてきて感じるのは、特に「袋物」ですが、

「嫁入り道具としての染織に優れたものが多い」ということです。

 

一頭の羊でも部位によってウールの質が違いますし、

春に刈る毛と秋に刈る毛では、春の毛の方が質が良い。

娘が生まれたその日から、その家では嫁入り道具に使うための「とびきりのウール」を貯めていきます。

原毛から糸にする作業も、念入りに梳き、丁寧に紡ぎます。

染色も、手間と時間をかけて選りすぐりの美しい色に染め上げます。

織りの作業も花嫁と母親の腕の見せどころ。

 

嫁入り道具としての染織は、一世一代の大仕事なのです。

 

ちょっと話が外れますが、「名古屋の嫁入り」ってご存知でしょう。

今はライフスタイルが変わってきているので昔ほどではないかもしれませんが、

名古屋は嫁入り道具や結婚式など、とても豪華だと言われていますよね。

 

結婚が決まると、豪華なブライダル家具一式を買うわけですが、

それを新居に運ぶ前に、まず花嫁さんの実家に運び、近所の人たちにお披露目会をするようなんですね。

家具を運ぶトラックも、紅白の幕をかけて、家具が見えるように一部ガラス張りになっているものもあるとか。

そうやって「うちはこんなに立派な嫁入り道具を揃えたぞ!」というメンツを競う場でもある。

 

一方、これと似たような風習がトルコの村にもあるんです。

 

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”NOMADS IN ANATOLIA” より

 

結婚式の前にお嫁入り道具一式を揃えた花嫁さん宅では、近所の人を招いて「お披露目式」があります。

 

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衣類や寝具など、ありとあらゆるものを公の目に晒して、

「うちはこんなに立派な嫁入り道具を揃えました!」とデモンストレーションするわけです。

 

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この村では、定住して大きな絨毯を織ることはなくなっても、

遊牧生活の象徴的な「アラ・チュバル(色糸でグループの文様を織り込んだ収納袋)」だけは織るようです。

花嫁が織ったチュバルをラクダに括りつけて、結婚式のパレードがはじまります。

 

いまや純粋な意味で遊牧生活を営む遊牧民はほぼいなくなってしまいましたが、一部の風習はこうして残っています。

ただこの写真も1970年代のものなので、いまも風習が同じように続いているかどうかはわかりません。

 

 

[  その2 堅牢な実用品&部族のアイデンティの象徴    ]

 

日本の私たちは、必要な家財道具がなければ気軽に店で買うことができます。

しかし昔の遊牧民はそんなことはできませんでした。

 

結婚して独立した家庭を営む際、嫁入り道具として持ってきたものが家財道具のほぼ全てであり、

それを何十年もずっと使うわけです。

袋物にせよ、敷物にせよ、長い間の使用に耐えうる堅牢性が求められます。

 

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「敷物」としての絨毯も大事ですが、遊牧民にとって「袋物」というのは非常に大切な存在なんですね。

 

一番左の「ヘイべ」はわりと小型で、男性がバザールなどに行くとき、肩にかけて使ったようです。

それ以外にもロバや馬の背にかけて使う「鞍掛袋」、

宿営地の移動の際には、ラクダの両脇に吊るす「マフラッシュ」や「チュワル」などがあります。

 

バザールに行けば、他のトライバルグループや定住する村人との接触があります。

宿営地の移動の際も、やはり一定の緊張関係を持った「他者」との遭遇があります。

そのときに、袋の文様などから「バルーチ族だ」とか「カシュガイ族だ」といったことがわかります。

 

色鮮やかで堂々とした袋や、ラクダの荷物を包むように掛けられた絨毯・キリムが

かれらのアイデンティティーや部族の誇りとなるわけです。

 

嫁入り道具として織られた絨毯や袋物は、社会的に非常に重要な意味を持つんですね。

 

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(つづく)

2017.10.25 Wednesday

ギャラリートーク1回目 2017.9.26.

 

今回の絨毯展を振り返って、内容を少しまとめておきたい。

(一部、加筆しました)

 

一回目のギャラリートークは、オープン翌日の9月26日だった。

 

まずはギャラリーのスタッフの皆さんに、展示の意図を理解してもらいたいなと考えていて、

あとはもしかしてギャラリーの常連さんが参加してくださるかもしれない。

全部で5人くらいかなと考えていたら、

Whyte Laydieさんが遠くから駆けつけてくださり、絨毯好きの友人も忙しいなか参加してくれた。

あとはスタッフの皆さんが一生懸命宣伝してくださって、全部で10人くらいになった。

 

絨毯好きなお二人を除くと「特に絨毯に興味があるわけではない」方々なので、

どういう話をしたら興味を持ってもらえるかな? と考えた。

 

わたし自身も15年ほど前までは「絨毯に興味があるわけではな」かったのだ。

玄関マットやリビングに敷物を使ってはいたけれど、

スーパーで売っている化繊のカーペットで、それで文句はなかったのである。

 

だから15年前に立ち返って、そんな自分が遊牧民の絨毯のどこに魅力を感じるようになったのかを説明し、

さらには、遊牧民の暮らしにとって、絨毯・キリムはどういう意味を持っているのか、

わたしたちの暮らしにちょっとでも引きつけて考えてもらえればうれしいな、と思った。

 

* * *

 

<自分と絨毯とのなれそめ>

 

近所のスーパーの催事場を通りかかると、温かい色合いの素朴な絨毯に目が止まった。

それは座布団サイズの「ギャッベ」というものだったが、

見ていると心がなごみ、触れてホッとする、不思議な魅力を持っていた。

手織りの絨毯が一枚あるだけで、家のなかが温かくなるような気がした。

 

次にアフガニスタン産のオールド絨毯が好きになった。

小さめサイズのものを3枚ほど買ったけれど、茜の色が一枚一枚異なっている。

同じ一枚の絨毯でも、朝の光、昼の光、夜の光では色合いが違って見えた。

だんだん絨毯が「友だち」に思えてきた。

 

最初は「インテリア」として購入していたのが、どんどん深みにはまって

「もの」それ自体の魅力にのめり込んでいった。

 

* * *

 

<化繊のカーペットとウールの手織り絨毯とは、どこが違うの?>

 

かつて化繊のカーペットを使っていた自分の経験だと、

化繊は静電気を呼んで、だんだん薄汚れた感じになる。

洗ってもあまりきれいにならないし、繊維もへたってきて、2年位で処分することになった。

処分しても「十分使ったのだから」と、心が痛むことはなかった。

 

ウールの手織り絨毯は、使うほどに表面の毛羽が取れてツヤが出てきて味わい深くなる。

愛着も出てきて、年月が経っても「古くなったから捨てよう」という気持ちにはならない。

 

ちなみにギャラリーオアシスは「バザールヴィタ」という会社の運営で、北海道で無垢の家具や小物も作っており、

ギャラリーは「恵泉ノア製作所」のショールームも兼ねている。

だから化繊のカーペットと手織り絨毯の違いを、無垢材の家具と合板の家具に喩えてみた。

 

合板の家具は、それを使用するには十分な役目を果たすけれど、

新品のときが一番美しく、後はだんだんみすぼらしくなっていく。

でも無垢の家具は、きちんと手入れをすれば味わいが出て、歳月とともに美しくなる。

たとえば家具に多少の傷や落書きがついたとしても、

「この傷は○○ちゃんが、あのときにつけたんだよね〜」と愛しく思えたりもする。

 

世の中がはげしく変化する中、

生活もまた安定感のないものになりがちです。

ひとつの家具が生活空間に安定を与え、

生活を根底から支えてくれるなら、

こんなにたのもしいことはありません。

 

世の中の変化とかかわりなく、

生きつづける家具を

作っていきたいと考えています。

(恵泉ノア製作所のパンフより)

 

手織り絨毯と無垢の家具は、似ているような気がする。

大量生産・大量消費・大量廃棄の世の中で、生きつづけるもの。

サティシュ・クマールが書いていた「美しく、役に立ち、長持ちする」もの。

 

* * *

 

 

<遊牧民にとっての「絨毯(染織)」は「家具」>

 

日本人にとっての家具が「木」でできているとすれば、

遊牧民にとっての家具は「毛」でできている。

 

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たとえばこれは「ソフレ」と呼ばれる食卓布だが、

パンを焼くための「調理台」やホコリよけカバーとなる他にも、「テーブル(クロス)」としての役目も果たす。

 

「マフラッシュ」という大型の収納袋には布団など、

「チュバル(チュワル)」という中型の袋には、衣類や日用品、小麦粉などが入れられて、

日本人にとっての「タンス(行李)」などの役目を果たしている。

 

もっと言っちゃうと、「家具」だけでなく「家」までが羊毛やヤギ毛でできているのだ。

 

遊牧民のテントは、ざっくり分けるとふたつある。

気候が比較的温暖な場所では、開放型の黒ヤギのテント。

気候が寒く厳しい場所では、密閉型の羊毛フェルトによるテント。

 

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( "NOMADS IN ANATOLIA" より 黒ヤギのテント設営中)

 

木材は支柱として使われるけれども、それ以外はテントを固定するベルトも含めて

羊毛やヤギ毛がテントの材料の大部分を占めている。

 

トルコは密閉型のテントもあるが、多くは開放型のヤギ毛のテントが使われる。

ヤギ毛のテントにとって、非常に大切な役目を果たすのが「チュバル」という袋だ。

ラクダで移動の際に、左右の重さのバランスをとるため、チュバルは必ずペアで織られる。

 

P1013373.jpg

(同上)

 

宿営地について、いざテントを設営するときは、

まずこのチュバルがドンドンドン〜と10個くらい、背面に並べられる。

中には物がつめこまれていて重量もあるため、このチュバルが「壁」の役割も果たす。

悪天候になっても、背面にしっかりした「壁」があるため頼もしい。

 

(同上)

 

またヤギ毛のテントは、雨が降ると繊維がふくらんで水を通さないし、

カラリと晴れれば繊維が縮んで通気性が良くなる。

 

このように遊牧民にとって、羊毛やヤギ毛の織物は生活を支えてくれる、とても大切な「家具」なのだ。

 

* * *

 

<とてつもない手間と時間がかかっている絨毯>

 

このコースターサイズの絨毯は、先生が経糸張りまでやってくださった段階から織りはじめて8時間要した。

(驚きの声)エリザベス

もちろん遊牧民の女性が織るスピードはずっと速いが、

それでも絨毯を織るのはたいへんな根気と時間がかかる。

 

そして絨毯をつくるためには、織る作業だけでなく、

羊を飼育するところから、羊毛を刈り取り、選別し、梳き、紡ぎ、染めるという一連の作業が必要。

特に糸を紡ぐのは、織るための時間の数倍かかるという。

 

(ただし、絨毯織り作業が目のいい若い女性が中心なのに対して、

糸紡ぎはある程度年配の女性が担当することが多いという)

 

いずれにせよ、今のわたしたちには想像がむずかしいほどの手間と時間をかけて絨毯はつくられる。

 

* * *

 

<遊牧民の絨毯と、デパートなどで売られている都市工房の絨毯はどこが違うか>

 

ひとつの大きな違いは「分業」か「個人〜家族単位」か、ということが言える。

 

都市工房の絨毯は、システム化された分業によってつくられる。

専門のデザイナーがデザイン画(下絵)を描き、それを方眼紙に写し取る。

幅広で歪みが生じにくい立派な織り機を使って、専門の織り職人が下絵に忠実に織っていく。

使われる糸にしても、

たとえばイラン等の絨毯にオーストラリアやニュージーランドのメリノ種の羊毛が使われ、

脱脂や漂白などの工程を含めて、近代化された紡績機によって糸が紡がれる。

染色も、専門の職人が担当し、染めむらやロットによるトーンの違いは許されない。

絨毯が織られた後は、場合によっては薬品などで艶出しなどの加工がおこなわれる。

 

いっぽう遊牧民の絨毯は、羊毛にしても部族やグループ固有の羊によってそれぞれ違いがある。

たとえばクルド族は昔から良質のウールのために羊の品種改良を重ねてきたと言われている。

ホラサン地方やコーカサスなど、「良質の羊毛の産地」と呼ばれる地域がたくさんある。

 

絨毯を織るのは基本的に一人の女性であり、下絵は使われない。

織り機も非常に素朴なものである。

伝統的なモチーフは子どものときから練習して空で覚えており、

複雑なモチーフは「ワギレ」という織り見本を使うこともあるが、

どのようなデザインにするかは、伝統的意匠プラス個人の才覚で決まる。

 

このことはメリットでもあるし、デメリットでもある。

日本人が裁縫をする場合でも、人によって出来ばえが違うように、

(共感の声とため息)・・・

遊牧民の絨毯も人によって技術やセンスが違う。

 

ひどく歪んだ、センスがいいとは言えない絨毯ができる場合もあるし、

とても織りが上手で、色彩やモチーフの取り合わせがすばらしい絨毯ができることもある。

 

後者の場合は、織っている女性が自由にのびのびと創造力を発揮させているのが伝わってくるような、

フォーク・アートと呼んでもよいような絨毯も生まれる。

 

一般的に中東では女性の地位は低いとされている。

男性のいうことには逆らえない、さまざまな制約がある社会の中で、

もしかしたら絨毯織りのときだけは、自分の思いや祈りをありのままに表現できたのかもしれない。

 

そんなふうに織り上げられた絨毯は、見ているこちら側にもその思いが伝わってくるようなものがある。

そのような魅力が、遊牧民の絨毯にはあると思う。

 

 

2017.10.22 Sunday

絨毯展終了しました〜

 

昨日10月21日をもって絨毯展終了しました〜♪

 

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このブログを見てご来場くださった皆さま、ありがとうございました。

千葉県だけでなく東京都や神奈川県、栃木県、三重県、兵庫県、徳島県からもおいでくださり、

なんとお礼を申し上げてよいのかわかりません。

来られなくても応援してくださった皆さま、お気持ちとっても嬉しかったです。

 

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アフガニスタン音楽ユニットちゃるぱーささんのコンサートや、

口下手なのに2回のギャラリートーク、

わたしにとっては初めての経験でしたが、とっても楽しかった〜〜!

 

追ってまたご報告したいと思いますが

今回は取り急ぎお礼まで、、、きらきら

 

2017.09.25 Monday

絨毯展はじまりました〜!

 

本日9月25日から、絨毯展がはじまりました〜!

 

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千葉市若葉区都賀3−24−8 都賀プラザ2階

「ギャラリーオアシス」(JR総武線「都賀駅」東口より徒歩2分)

tel 043-309-8353

 

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うれしいことに新聞折込の地域新聞「あさひふれんど千葉」が、写真入りで紹介してくれました。

 

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東京新聞の千葉版にも‥‥

 

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やはり写真入りで取り上げてくださって、感謝です〜〜!ニコッ

 

* * *

 

ということで、昨日は絨毯の展示作業をしました。

(日曜は本来お休みなのですが、スタッフの方が休日出勤してくださって助かりました〜)

 

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都賀駅東口から左手の通路を歩いてきて、この看板が目印です。

 

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一階は「中国小麦粉料理専門店 恵泉」さん、

向かって左手に階段があります。

 

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階段を上がってギャラリー入口です。

昨日はお休みだったので照明がついていません。

 

 

大きめの絨毯の展示方法は結局、カーテンの芯地を縫いつけて絨毯との間に丸棒を通す方法にしました。

 

* * * 

 

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こういう作業は実際にやってみないとわからない部分があるので

「うまくいくかな〜?」とドキドキでしたが、

スタッフの皆様のおかげで、絨毯を無事展示することができました〜〜!

 

オープン前の状態で什器などが置かれていますが、

展示内容をご紹介します〜♪

 

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エントランス周辺には、トルコのレイハンル。

真ん中のインディゴ部分のアブラッシュ(色の濃淡)が美しいです。

 

レイハンルキリムはどうやら、部族色が強い作風から、徐々に「商品化」の傾向を強めていったのではないか、

と個人的には推察していますが、このピースは部族の作風が比較的残っているように思います。

 

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ギャラリーのなかを進むと、ティムリーのメインカーペットと

トルコのコンヤのキリム。

 

「羊の角」のモチーフが力強く、トルコ遊牧民の生命力を感じさせるピースだと思います。

今回の展示品を選ぶにあたって考えたのは、「遊牧民の力強さ」です。

 

私の集めたものには「定住した村人」が織ったものも多いのですが、

それらは今回、出品していません。

 

キリムも「華やかでキレイね〜!」というピースよりも

厳しくも美しい自然環境の中での伝統的な遊牧民の暮らしが残っている印象のピースを選びました。

 

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前回もご紹介しましたが、右手はトルコ西部ベルガマ周辺の絨毯、

左手はトルクメンのエンシとチュバル表皮。

 

そしてなんと!

床には3枚の絨毯が敷かれています。

靴を脱いで、絨毯の踏みごこちを体験してみてください。

 

右から左へ、トルコ東部の寝具、トルコ東部の絨毯、アフガントルクメンの絨毯です。

 

いや〜、太っ腹〜〜!

(自画自賛) あ

左側は50年未満のオールド絨毯ですが、真ん中と右側の絨毯はアンティークです。

アンティーク絨毯を踏ませてくれる展示会なんて、ここだけでっせ! 

(自画自賛) あ

絨毯好きなら、来ないと後悔しますよ〜〜!

(自己宣伝&脅迫) あ

 

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後ろを振り向くと、収納袋コーナーです。

オリジナルの原型をとどめているマフラッシュ、チュワル、ヘイベは数点で

他は裏が取り去られた表皮(バッグフェイス)ですが、

トルコ、イラン、アフガニスタン、アゼルバイジャンといった地域や部族の違いを見つけてください。

 

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左手にはプレイヤーラグ(祈祷用絨毯)2点。

左側はトルコ東部、右側はホラサン地方のバルーチのもの。

 

奥はダイレクトメールの写真に使ったカシュガイ族の「幸福の絨毯」です。

昨日もギャラリーの人に訊かれたんですが、

「幸福の絨毯」という名前は私が勝手につけた名前ですので悪しからず。

 

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左側はハムセ連合「母と子どものボテ」、

これは私が勝手につけた名前ではなく、欧米の絨毯マニアたちが遊び心でつけた名前で、

ちゃんとした絨毯の本にも載っている名前です。

 

右側はカシュガイ族の3メダリオン・デザイン。

七面鳥のような赤い文様は、カシュガイ族固有のモチーフです。

 

* * *

 

大体こんな感じですが、絨毯やキリムはやはり実物を見ないとわからない部分がたくさんあります。

入場無料ですので、どうぞいらしてください。(10月21日まで)

 

なおギャラリーの下(一階)にある中国料理「恵泉」さんは

お料理がとても美味しいのは言うまでもありませんが、

スタッフの皆さんのホスピタリティーが素晴らしいんです!

 

「いらっしゃいませ!」と迎えてくれるホール担当の方の笑顔のやわらかさ、

お料理を運んでテーブルにすっと置いてくださる手の動き。

厨房で働かれている方たちのきびきびした動き、イキイキ感。

 

上っ面だけの「おもてなし〜」ではない、

本当のもてなしが「恵泉」さんにはあります。

 

あと、ギャラリーでは自社焙煎のコーヒーと自家製ケーキがいただけます。(有料)

心を込めて淹れてくれる香り高いコーヒーをぜひ味わってください。

 

お待ちしています〜♪ heart

 

2017.09.11 Monday

「絨毯展」にむけてバタバタ

 

前回の記事に絨毯屋トライブさんからコメントをいただいたのがきっかけで、

私が考えていた絨毯の展示方法に問題があることがわかった。

 

あまり大きくない薄手の絨毯は愛用の画鋲を使用するとして、

「メインカーペット」と呼ばれる大きめで重めの絨毯は、画鋲で固定するには負荷がかかりすぎる。

 

「絨毯の裏側にカーテンの芯地を縫いつけ、リングでピクチャーレールにつなげばOK?」

なんて考えていたら、それでは絨毯がたるむというアドバイスをいただいたのだ。

言われてみれば、そのとおり。

カーテンの部材を使えば、出来上がりはやっぱりカーテンみたいになる。

「ものを知らない&想像力がない」というのはオソロシイことだ。

 

そこであわててホームセンターに走り、

平べったい角材と、絨毯を木材に固定するためのCクランプ、ピクチャーレールに引っ掛けるヒートンを仕入れてきた。

角材も絨毯の横幅に合わせてカットしてもらい(1カット50円也)、

こうやってバタバタするのがなんだか楽しかったりした。テヘ汗

 

なんとか弛ませずに絨毯を展示できそうで、トライブの榊さんには感謝です。kyu

 

* * *

 

さて、寺原太郎さんナビゲーターによる「世界音楽紀行」10月は

絨毯展に合わせて「ちゃるぱーさ」さんのアフガニスタン音楽です。

お近くの方、お近くでなくてもぜひ!聴きに来てくださいませ〜〜!

詳しくはコチラ

 

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ギャラリーオアシスさんはひとつながりのスペースですが、

エントランス付近の販売コーナー、中央のオープンスペース、奥のカフェ・コーナーがあります。

「世界音楽紀行」のコンサートはオープンスペースで行われますが、

そこに展示する予定の絨毯を前もってご紹介したいと思います。

 

アーティスト演奏ステージに向かって右側の壁には、

Timuri のメインカーペット。

 

 

この意匠の絨毯は、部族絨毯の聖典ともいえる James Opie "TRIBAL RUGS" の表紙にも使われています。

 

アフガニスタン北西部に住む Timuri 族はチュルクーモンゴル系と言われており、

アラブ系と考えられているバルーチ族とは異なるエスニックグループですが、

絨毯の持つ印象が似ていることから「バルーチ絨毯系」として扱われることが多いようです。

 

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比較的新しいアフガニスタン絨毯にもこの意匠は使われており、「筆箱デザイン」と呼ばれているようですが、

たぶんディーラーが勝手に名づけたんじゃないでしょうか。

100年前の Timuri 族が筆箱を使っていたとは思えません。 

羊の角など伝統的な部族の象徴的モチーフや、生命の木を枠で囲ったものだと思います。

 

今回展示する絨毯は、ご覧のようなコンディションですが、

真夜中のように深いインディゴや、繊細で艶やかなウール、

キリッとしたドローイングをご覧いただきたいと思います。

 

同じ部族が織ったものでも、これだけの深い色と艶やかなウール、緊張感のあるドローイングは、

残念ながら新しい絨毯には見られません。

 

一般にバルーチ系の絨毯は「暗闇に光るダイヤモンド」と喩えられますが、

その呼称に耐えられるだけの色と質感を持つ絨毯は、実際には数少ないと思っています。

 

それぞれの「生命の木」たちが、夜の闇の中に、静かに、力強く立っている。

どこか神聖な印象を受ける絨毯です。

 

* * *

 

さてステージ正面には、トルコ西部ベルガマ近郊に住むユンジュ族の絨毯。

 

 

パイルは均等にすり減っていて、一見「キリム?」に見えますが絨毯です。

ベルガマ地方の古い絨毯にはほとんど正方形のタイプがあり、これはタテ150ヨコ145センチ。

 

 

ユンジュ族の古い絨毯はほとんど見かけないので、けっこう貴重だと思います。

トルコは華やかな印象の絨毯・キリムが多いのですが、

渋いレンガ色とインディゴを基調とした力強い意匠、

遊牧民ならではの美意識を感じさせる絨毯を味わっていただけたら幸いです。

 

* * *

 

ステージに向かって左側の壁はトルクメン絨毯です。

 

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写真右側は、テントの入り口にかけるドア(のれん)=「エンシ」デザインの絨毯で、

トルクメン族のテケ支族が織ったものです。

 

この絨毯は今回展示する絨毯のなかでは比較的新しいものです。

一部化学染料が使われている一方で、コチニールも使用されているので、20世紀初めあたりでしょうか。

 

左側は、同じトルクメンでもヨムート支族のチュバル(袋)の表皮です。

ヨムートは渋い茶色の絨毯が多く、下側なんてブラックチョコレートみたい。

そして触るとプニュプニュしてゴムのような質感!

最初このラグに触れたときはビックリしました。

上も茶色のグラデュエーションや緊張感のあるギュルの並び方をご覧ください。

 

* * *

 

‥‥とまあ、絨毯展に向けてオタオタしつつも準備を進めています。

 

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あと、おまけですが9月26日(火)と10月14日(土)それぞれ10時半から簡単なトーク会あります。

下手な話なので、スルーしてくださいませ〜!ゆう★

 

でも、できれば絨毯展はたくさんの方に見ていただきたい〜!

お待ちしています〜〜! きらきら

 

 

 

 

2017.09.02 Saturday

絨毯展のおしらせ

 

4ヶ月ちかくご無沙汰していましたが、みなさまいかがお過ごしですか?

 

ほぼ「オワタ」のこのブログ(笑)ですが

9月末から絨毯の展示会をしていただくことになりました。きらきらゆう★きらきら

 

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ジャーン!

ギャラリー・オアシスさんがつくってくださったダイレクトメールです〜!

 

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昨年末の「絨毯好きのつどい」に来てくださったバンスリー奏者の寺原太郎さんが

こちらのギャラリーで「世界音楽聴こう」じゃなかった「世界音楽紀行」のナビゲーターをされており

ほぼ月一のそのイベント、わたしもすっかり常連になってしまいました。

 

んでね、そのギャラリーはとにかく雰囲気がなごやかで堅苦しさがないのに、

どことなく文化的な香りもして、とってもステキな場所なんです。

→ ギャラリーオアシス

 

太郎さんのご紹介で、なんとわたしに「絨毯展示をしませんか?」とのお誘いが!

 

絨毯展示といえば、絨毯屋のトライブさん主催によるバローチ展

私の祈祷用絨毯を展示していただいたことがありますが、それ以来です。

 

あのときも私は何もせず「おんぶにだっこ」で、お世話になるばかりでしたが

今回もほぼ S店長さんはじめ、ギャラリーオアシスさんにお世話になるばかり。

 

日本ではマイナーな存在の部族絨毯を展示していただける機会を与えていただき、

本当に感謝しています。ハート

 

やはり絨毯は実物を見ないとわかりません。

お近くの方で「ちょっと見てみようかな」と思われる方がいらっしゃいましたらぜひどうぞ!

 

(展示品は販売いたしません)

 

 

 

2016.09.19 Monday

敬老の日とくしゅう〜

 

私はまだ還暦を迎えていないが、最近はもうすっかり「お年寄りキブン」である。

というのも、ヘアダイを思い切って止めてしまったので白髪がすごいのだ。

電車のなかでたまに席を譲られたりして、

「いえ、まだそんな年じゃないんですが」と言おうかとも思うのだが、

ただでさえギスギスしている今日このごろ、

その人はせっかく勇気を出して親切にしてくれているのに、断ったりしたら、その人を傷つける。

「あー、どうもありがとうございます〜」ニコッと、ありがたく座らせてもらっている。

 

30代ぐらいから白髪が増えはじめて、ずっとヘナでごまかしてきたのだけれど、

「もう、やめちゃえ!」と思って、この2年ほど白髪のベリーショートにしている。

 

昔、加藤タキさんがカッコイイ銀髪なのを見て、

「マネしたいけど、白髪で通すことができるのは美人に限るのよね」ゆう★と思っていたけれど、

いやいや、実際にやってみるとブスでもいける‥‥てゆーか、だれも気にしてねーし!

「ブスだって白髪にしていいのだ! 文句あっか!」宣言である。エルモELMO

 

さて、そういうわけで「敬老の日」がグッと身近に感じられる今日このごろ、

このブログでも「敬老の日特集〜!」を組むことにして、

本日は3人の長老にご登場を願った。

 

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ジャーン!

どうです! この風雪に耐えた気高いお姿!

 

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ここでちょっとお遊びを‥‥

 

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コーカサス出身のヒゲじい。

 

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どうです? 立派なおヒゲでしょ?

 

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ヒゲじいがバナナを食べてます。ムシャムシャ‥‥

 

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ヒゲじいのチャームポイントはいろいろあるけど、まずはこのキリリとしたボーダー!

 

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「絨毯のお年寄り」でなければ、なかなかこういう力強い造形には出会えません。

 

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それでいて、フィールドにはこんな夢のある「生命の木」。

木の精霊が真夜中に星空と交信しているかのようです。

 

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タテ糸とヨコ糸が交差するように、時間と空間を旅してきました。

 

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なんてボールドな色彩!

緑のなかに黄金色。

年をとってもハートには黄金を抱いていたいな〜! 

‥‥なーんちゃってね、テヘ。 汗

 

* * *

 

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彼女はとってもラブリーハートな梅干しばあちゃん。

やっぱりコーカサス出身。

コーカサスは美人の産地と聞くけれど、どうりでね! 手

 

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彼女がどれほどラブリーか、この写真を見てもナットクでしょ!

 

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このボーダー、可愛ゆすぎる〜〜! ゆう★

 

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いくつになっても可愛いよお〜!

 

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ぷくぷくした裏側もステキ〜!

 

* * *

 

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さて、こちらはアムダリア川流域に住むエルサリ・トルクメンの長老と思われます。

毎日しっかり働いて、人のために役立ってきたことが、お姿からも拝察されます。

 

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くたくたにこなれた質感からは、独特の気高さが立ちのぼります。

 

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「ベシール絨毯」とも呼ばれる絨毯群は、深く味わいのある茜色や淡い黄色が特徴。

 

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ベシール絨毯の多くは、タテ糸にヤギ毛が使われています。頑丈です。

毎日、働いて、働いて、

パイルがすっかり磨り減ったあとに現れるノットの結び目が輝いています。

 

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人間も「いい年を取ってきたんだな」とわかる表情になりたいものです。

 

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そんなあなたをリスペクトして

「すずしく光るレモンを今日も置かう」。

 

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2016.02.28 Sunday

絨毯に咲く花々

いよいよ春かな〜と思っていたら、強い寒の戻りがあったりしました。
みなさまお元気ですか?



昨日は東京ステーションギャラリーでモランディ展を観た後、皇居方面に出て、東御苑に立ち寄りました。



梅だけでなく、リュウキュウヒザクラやツバキカンザクラなどが綺麗に咲いていました。




さて、今回は絨毯の中で一足早くお花見をしたいと思います。



バルーチ系のバールリ族のソフレのお花は、野に咲く小さな花のよう。



こちらもバルーチの清楚な白い花。



やはりバルーチですが、こちらはシャープな印象。



バルーチ系のサロール・ハニというグループ。



次に南西ペルシャの部族のものへ。
こちらはハムセ連合のもの。「ヘラティ文様」の中に小さな花々。



同じピースから、大きなお花。



やはりハムセ連合で、ボーダーにもお花が手をつないでいます。



同じピースのフィールド部分。



カシュガイ族のワギレ(織り見本)から。



ずっと昔から咲き続けている120歳くらいのお花?



南西ペルシャでも、どのグループかよくわかりません。非対称結びですが、ハムセ連合系かなあ?



これもグループ不明ですが、カシュガイ系かなあ?



ジャフ・クルドの袋にもお花。



コーカサス絨毯にもお花はよく使われます。



同じピースのボーダー。



コーカサス絨毯の中にはトルコ絨毯に近い印象のものがありますね。



絨毯の中のお花といえば、やはりトルコ絨毯。



トルコ西部のミラス絨毯にはお花がいっぱい。



この滴るような天然染料!



ボーダーにも、フィールドにも…



さて、次は中央に近いクルシェヒール。







蕾を横からスケッチ!



こちらも中央に近いムジュール。



カーネーションかな?



東トルコの絨毯にもお花が咲いていました。



番外編でキリムの中のお花。
本当はお花じゃないのかもしれませんが、色合いも春らしいので…

一日一日と、春の訪れを見つけていきたいと思います。



2014.04.19 Saturday

春の中央アジア文化祭初日

きのう(4月18日)、春の中央アジア文化祭に行ってきました!

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会場の「もくれんげ」さんの入口。「昭和の民家」らしくまったりとした雰囲気。

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玄関すぐの受付。
華やかなアトラスやウズベキスタンのじいちゃんがお出迎え。

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スカーフや簡単な織り機、各種パンフレットも販売してマス♪

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カザフ族のとってもきれいな刺繍! 
モンゴル国在住のカザフ族の作品とのことですが、展示された廣田さんによれば、
カザフスタンよりもむしろモンゴル在住のカザフ族に、このような伝統的手仕事が残っているとのこと。
婚礼後、お互いの家族が新婚家庭に家財道具を送る習慣があり、この刺繍も家族によって新婚家庭に送られた物。
心のこもったプレゼントですね♪ どんなにお金をかけた物よりもステキ!

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カザフ刺繍やCDの販売もしています。

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アトラスでつくったグッズ。テディベア、わたしも欲し〜い! 右から二番目のちいちゃい子が好み!

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ウズベキスタンと日本の交流。こんな形でも行なわれているんですね♪

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中央アジア各国のお茶やドライフルーツ&ナッツも販売しています。
「もくれんげ」さんの別室にお茶を飲めるお部屋も……

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イランの絵本などが展示されているお部屋。
さすがイラン、絵本も洗練されていてさすが美術的センスのすばらしいものがいっぱい!

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オシャレなカードやしおり、手仕事グッズもあります♪
写真に写っていないアート系のお人形さんも欲しかったですが、物欲と闘いましたです、ハイ……(^_^;)

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じゃーん! イキナリ濃い画像になりました。
トルクメンのオクバシュ(矢筒)、風格に圧倒されます。

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テントベルト。上から吊るされているのはカザフ族のもので、床に置いてあるのがトルクメンのもの。
やはり遊牧生活で使われた物は独特のオーラを放っています。

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トルクメンは豪華な装身具でも有名です。帽子も凝ったものを被ります。

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これネックレスですよ! いったい何キロあるのか……(*_*;

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コートのようなものは「チルピー」という頭からかぶる「被き」の一種です。
後ろはトライブさん出品のベシール絨毯。
1993年サザビーズ主催のジョン・トンプソン・コレクション・オークションで手に入れられた記念のピース!

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右側は手仕事クイーン出品のテッケのエンシ(テント入口ドアの役割の絨毯)、
左がわっしが出品したベシールのジュワル(チュバル)表皮です。
その下はフェルト製の物入。この角のような文様も迫力ありますね。

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ラクダちゃん、手仕事クイーンお手製の豪華な衣装で満足そう。
下に敷かれているのはヨムートのジュワル表皮。

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マスコットではなく本物のラクダの膝を飾るための「アスマリク」。
いつも身に着けているわけではなく、婚礼などお祭りのとき、雰囲気を盛り上げます。

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トルクメン関連の書籍やミニチュア織り機も……

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トークショーの後半には手仕事クイーンによるトルクメン絨毯の織りの構造のレクチャーもありました。
とにかくトルクメンは糸紡ぎや絨毯織りのテクニックが群を抜いてスバラシイ!
ただデザインを見ているだけではわからなかった「トルクメンのすごさ」、レクチャーで理解が深まりました。

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こちらはテッケのジュワル表皮です。とても緻密で正確な織りです。
「敷く絨毯」だけでなく、大型収納袋や動物飾り、テントベルト、さらには衣装・装身具まで含めた充実した展示。
肌寒い一日でしたが、ディープな絨毯好きの熱気でムンムンの(笑)一日でした〜♪

* * *

(お知らせ)
しばらく「旅」のようなものに出かけることになりました。
しばらくブログをお休みさせていただきます。
戻りましたらまたゆるゆると再開させていただきますので
みなさん、その日までごきげんよう! (^.^)/~~~

 
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