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2013.05.30 Thursday

ジャフ・クルド Jaf Kurd のホルジン(片側)


梅雨入りもしたことですし(←理由になっていない)、今回は手抜き記事です。

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ジャフ・クルド Jaff(Jaf) Kurdのホルジン(袋)の片側です。
ジャフ・クルドは、イラン・イラクの国境あたりに住むクルド族の支族と言われています。 

近くにはセネ(現在はサナンタジ)があり、そこでも多くのクルド人が絨毯を織っていますが、
古くから商業用の絨毯産地であり、いわゆる「ペルシャ絨毯」のイメージのものが多いです。

jaf11.jpg

それに比べると、ジャフ・クルドのものはトライバル色が濃厚で力強さを感じます。

jaf5.jpg

「ジャフ・クルド」として市場に出てくるのは、なぜかほとんどこのような袋ばかり。
絨毯の本で、これと似たようなモチーフの小さなラグを見たことがありますが、とても珍しいようです。

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ジャフ・クルドの魅力は、脂分の多いしっかりしたウールと発色の良さ。

jaf2 - コピー.jpg

枇杷のような黄色は、他のトライバルラグであまり見かけない色。

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このピースには紫が二色使われています。
どちらも茶色がかった紫ですが、ダイヤモンド型の中は薄めの紫、
右下にのぞいているアニマル・ヘッド(動物の頭)モチーフは濃い紫。

jaf3.jpg

この写真の一部だけ取り出すと……

jaf3 - コピー.jpg

薄めの紫

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濃い目の紫、となります。

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ご覧のようにかなり使い込まれたコンディションですが、部族絨毯にハマると、それすらが魅力になるのです。

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裏側の「つぎ当て」なんか、もう愛しくて〜!(笑)

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生成り色をベースにしたボーダーの「S字」の感じがとても好き。

jaf6 - コピー (2).jpg

線に力強さがあります。ここらへんは織り手の個性が出るところ。

jaf5 - コピー.jpg

クイッ、クイッと織りこまれた線からは、リズムと躍動感が感じられます。
鉄の媒染剤を使ったと思われる茶色のパイルがすり減って、レリーフみたい。
部屋の中だといま一つ色の美しさが感じられませんが、
屋外で眺めると、ウールの艶と発色の良さがよくわかります。

jaf8.jpg

この裏側も、アブラッシュ(色むら)が見飽きないんですね〜



インディゴ、深緑、黄緑、紫……どれをとっても味わいのある色です。
ある日本の染色家が「草木染めはたとえ色褪せても、決して下品な色にはなりません」と言ったそうです。
本当に、そう、思います。

jaf7.jpg

色だけでなく、見てください、この「バック・シャン」。



念入りなソマックが施され、袋の裏といえども手がかけられています。
ホルジンはロバなどの背にかけられて、かなり重いものも運んだようですが
このようなソマックやジジム織りには、袋をより丈夫にする働きがあったと聞きます。
実用面での強化と美しさが一体である「用の美」、
そこらへんがトライバル・ラグの原点なのかもしれませんね。

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