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2010.11.28 Sunday

コーカサスの赤いベルネ(クルド?)


絨毯やキリムについて少しずつ勉強していくと、
「大陸っていうのは、本当にさまざまな“民族”が入り乱れながら住んでいるんだなあ」
と思うことが多くなりました。

ちなみに“民族(race/nationality)”という言葉は定義がむずかしいので、
ラグやキリムの世界では"tribe(種族・部族)""tribal group(部族グループ)"
という言葉のほうが適切ですね。

北イランからコーカサスにかけては、特に複雑な地域です。

前回なにげなく使った「シャーセバン」という区分も、
トルコ語系を中心に、クルド人・タジク人・グルジア人までが含まれていて、
正確な意味での"tribe"ではなく、サファビー朝シャー・アッバスの時代、
オスマントルコに対する防波堤の役目を負う形でペルシャに移住した「同盟」であり、
Shahsavan Confederation というのが適切みたいです。

KILIM The Complete Guide  by A.Hull & J.L.Wyhoska によれば、
現在シャーセバンは、下の5つの灰色の部分に住んでいるようです。



シャーセバンのなかでも、住んでいる地域によって毛織物の配色などが違い、
先日ご紹介した「生成りに赤・青・茶」というシンプルな配色のベルネとマフラッシュは、
どうやら赤線で囲ったモルガン平原あたりのモノのようです。

* * *

さて今回は、コーカサスの赤いヴェルネをご紹介しましょう。



このタイプのヴェルネはトルコの業者さんを通して日本にも入ってきています。



裏糸の量がけっこう多いかも……



Flat Woven Rugs & Textiles from the Caucasus  by Robert H. Nooter
という本によれば、このタイプは、Yarevanのクルド族のものとされています。
Yarevanは、コーカサスのなかでもトルコの北東国境に近いので、
トルコにたくさん入ってきたのでしょう。



このタイプの房は、クルド族に多いみたい。



肉眼で見ていると気づかなかったのですが、
一番上の写真を見ると、色の濃い部分と白っぽくなっている部分に分かれています。
もしかして……織った方向が違うかも?

コーカサスの「赤」も、落ち着いたいい色だと思います。

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