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2015.08.18 Tuesday

旅する絨毯


あいかわらず日中は暑いけれど、朝晩は涼しい日も増えてきました。
ミンミンゼミに混じってツクツクボーシの声が聞こえてきたり、コオロギが鳴きはじめたりと
秋がそっと忍び寄ってきているのを感じます。

IMG_1455.JPG

さて、ひさびさにお客様をおむかえして絨毯をひろげました。
お客様といってもわたしの友人とその家族なのですが、
トライバルラグの良さをわかってくれる日本で数少ない”同志”?!

「へえ〜っ! こんな趣味を持っている人がいるのか〜」と
日本には多種多様な趣味を持つ人たちがいるのに、部族絨毯の愛好者ってホント少ない気がします。

友だちに見せても、「ナニコレ?」みたいな反応とか、
「あっ、穴が空いている!」とコンディションには注目するけど、渋〜い(とワタシは思っている)質感には興味ない人、
果ては「この絨毯の上で殺人事件があった!」と想像をたくましくする人など、モロモロ。

「殺人事件」発言、これはこれで面白く、
おそらく部族絨毯特有の「濃さ」という本質を鋭く見抜いた感想なのではと思っていますが、
「あっ、いい色ね〜!」「なんてしっとりしたウール!」「なんだか不思議な気持ちになる文様ね〜」
なんて共感を得られるのは、ごくまれなケース。

今回はそのごくまれなケースであるゲストなので、テンション上がりますぅ!

IMG_1456.JPG

友だちはもう何度も絨毯とキリムを見てくれていますが、
ご家族には前回(もう2年以上前になるかも)気に入ってくださったものをお譲りして、
おうちに飾ってくださった結果、
「その空間が引き締まって、ものすごくランクアップする」
「絨毯そのものにオーラがある」と、
トライバルを高く評価してくださった。

ううう‥ ”文化的マイノリティ”にとっては泣ける言葉!kyu 

IMG_1458.JPG

ただあまり時間がなかったので、実際にお見せしたのは袋物関係が中心。

バルーチ、トルクメン、カシュガイやハムセ、そしてトルコのチュバルなど。
袋物は婚礼の際の持参品として織られることが多かったので、良いものが多い。

比較的新しいものの中には最初から売ることを前提に織られた袋ものもある。
古いものと新しいものとの違いは、
染料や織りの技術もあるけれど、やはり使われているウールの質が全然違う。

* * *

「婚礼の持参品として織られる袋は、いわば花嫁の家の格式をあらわすもので、
いちばん良いウールを取っておいてその袋に使ったし、
染めにしても織りにしても、
『この花嫁は、これだけのものを織れる家から来たんやぞ! なめんなよ!』
というものを持参することによって、花嫁の地位を確保した。」

‥‥というこの言葉、じつはわたしの言葉ではアリマセン。
トライバルラグを見るのは2回目という人が、ズバリ本質を突いたのです。

それだけではありません。
バルーチとトルクメン、そんなにたくさん枚数は見ていないにもかかわらず、
「あ〜、やっぱ違いますよね〜。
このバルーチって人たちは、ワイルドなんだけどけっこう自由に生きている感じがするのに比べて、
トルクメンの人たちって、その内側に階級社会を形成して、ガチガチってやっている気がしますね〜」と。

当たってるんでねえかい?!
いやもうビックリしましたねぇ。
生まれつき「見る目」が備わっている人というのはいるんだな〜、と認識を新たにしました。

わたしなんか試行錯誤を繰り返し、「あ〜、また失敗してもうた〜!」を重ねながら
ようやく自分なりの価値基準ができあがってきたというのに、
トライバルラグ見るのが二回目の人に、あっさりと乗り越えられちゃった感があります。

* * *

その結果、わたしの集めたもののうちでは「ピン」のもの何点かをお譲りすることになりました。

ネットでの買物はバクチの要素があるので、
「うわーん失敗した〜!」「これはマアマアかな」「イヤッホー!‼︎」とさまざまです。

でも人にお譲りするときは、やっぱ良いものから旅立っていくんだよね。

いっときは「これはまだ譲りたくない」とか固執していたときもあったけど、
いまはとにかく、そのピースが人に喜んで迎えられ大事にされるであろうことが大切。

トルコ、イラン、アフガニスタンで生まれた絨毯が、
アメリカやヨーロッパを経由して、ここ日本のうちに来た。
その何枚かがまた、海を越えて旅に出かけて行きました。

さよなら、わたしが出会ったマスターピースたち。
これからも旅をつづけながら、そのときどきの場所で輝き、いのちをまっとうできますように。







 
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