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2016.05.11 Wednesday

ヘラティ文様について 2


現アフガニスタンのヘラートは、かつてサファビー帝国北東部の中核都市として、
ホラサーン地方で織られた絨毯の集散地となり、ヘラティ文様の絨毯が数多く取引されました。

さて、手元にある文献で「ヘラートの絨毯」はないかな〜、と探してみたところ、この本にありました。

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2006年に広島県立美術館で開かれた特別展の図録です。

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18世紀初期のヘラートの絨毯 (図録番号12)

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ヘラティ文様について調べていくと、セネ絨毯に見られるような「菱形」以前には、
上の絨毯のように「湾曲した葉文様」「大振りの連花葉文」が代表的な意匠だった可能性があります。

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こちらも18世紀のヘラートの絨毯

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もう一枚は「ヘラートかイスファハンか?」というピース


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この絨毯の中心部に注目すると、縦長ではありますが「菱形のヘラティ文様」に近いラインが見えてきます。

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どうでしょうか。かなり菱形のヘラティ文様に近くなった感じですね。

* * *

つぎに、絨毯デザイン(伝統的モチーフ・パターン・シンボル)に特化して編集されたこの本。

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この本では、ヘラティ文様の源流を「大振りな連花葉文」や「花瓶文様」に探ろうとしています。
そもそも上の絨毯のような「大振りな連花葉文様」は、いつ頃から絨毯の文様として取り入れられたのでしょうか?

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カイロにあるモスクのタイルに、近似する文様が使われています。
16世紀中葉にはこの意匠があったということですね。

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タイルだけでなく、カイロの絨毯にもヘラティ文様を思わせる意匠が‥‥

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こちらは16世紀サファビー朝時代のペルシア絨毯。東部もしくは東南部のもの。
265 ✖️ 195 cmというサイズや流れるような草花文様は、宮廷絨毯か貴賓への贈答用といったレベルの絨毯ですが、
ここから簡略化された「菱形ヘラティ文様」へ変化していったという説は、それなりに説得力がありそうです。

(つづく)
 
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