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2017.02.28 Tuesday

絨毯のヨコ糸は見えるのか?

 

「茶色の経糸でスイッチが入った」なんて書いていましたが、

ひょんなことから「台湾にスイッチが入り」、絨毯は放置状態になってしまってゴメンなさい〜。

 

気分を切り替え、経糸じゃなく「絨毯の緯糸」について少しばかり書きます。

 

* * *

 

まず質問。

「あなたは絨毯のヨコ糸を見たことがありますか?」

 

前回ご紹介したハゲハゲ絨毯なら、パイル糸がすっかり取れてしまっている部分があるので

タテ糸もヨコ糸もはっきり見えます。

 

しかし、堅気の市民生活を送られている日本のマジョリティーの方で

絨毯のヨコ糸を見たことがある人は少ないんじゃないでしょうか?

 

キリムは「タテ糸とヨコ糸」で構成されていて、

つづれ織りのキリムは「ヨコ糸が主役!」

表に現れているのは、ほとんどがヨコ糸です。

 

一方、絨毯は「タテ糸とヨコ糸とパイル糸」で構成されていて、

パイル織の絨毯は「パイル糸が主役!」

表に現れているのは、ほとんどがパイル糸です。

 

キリムも絨毯も、「フリンジの部分がタテ糸」なので

みなさん、タテ糸は見たことがあるはずです。

 

でも絨毯のヨコ糸は、パイル糸に埋もれてしまって、ほとんど見えません。

 

特に都市工房で織られたペルシャ絨毯やトルコのヘレケ絨毯は、

強くデプレスがかけられていますから(「ダブルウェフト」とも表現される)、

ヨコ糸は奥に存在するものの、表にはまず現れていないと思います。

 

でも、部族絨毯村の絨毯はほとんどデプレスのないフラットな織り構造ですから、

絨毯のをまじまじ〜っと見つめると、ヨコ糸が見えてきます。

 

IMG_0065.JPG

 

これも一応「いわゆるベシール絨毯」。

 

結構ゆがんでいて、遊牧生活を送るグループのものかもしれません。

エルサリ・トルクメンとも感じが違うので、ウズベク族のものかな?

 

IMG_0068.JPG

 

スター・キッズの幼稚園〜! って感じで、個人的にはけっこう気に入っているんですけど。

 

IMG_0069.JPG

 

ボーダーのクロス・モチーフや「スター・キッズ」の形がぜんぶ違っているところがラブリー!

 

IMG_0088.JPG

 

古いのでけっこうこなれてます。

タテ糸は、ベシール絨毯おなじみのヤギの糸。

 

IMG_0086.JPG

 

さて、絨毯の裏側です。

茜、インディゴ、黄、茶、アイボリーのパイル糸が、まず目に飛びこんできますが、

パイル糸とパイル糸の間からのぞく茶色の線ーーそれがヨコ糸です!

 

IMG_0090.JPG

 

これはアフシャールのサドルバッグの裏側の写真ですが、

矢印で "weft" と示されている部分がヨコ糸。

 

このピースは、一段あたりヨコ糸を左右に往復させ、2本のヨコ糸が使われていますが、、、

 

 

このトルコのヤストゥックは、

一段あたりヨコ糸を左右に2往復または3往復させているため、

4本または6本のヨコ糸が使われています。

 

ヨコ糸がたくさん使われているので、ぱっと見るだけでヨコ糸の存在がわかりますね。

 

IMG_0066.JPG

 

このように、部族絨毯や村の絨毯は、裏側を見るとヨコ糸の存在がわかりますが、

このベシール絨毯のように、表側もパイルがかなりすり減っていると、

うっすらと茶色い横糸が見えています。

 

IMG_0070.JPG

 

* * *

 

余談ですが、パイルたっぷりの絨毯でも

色のついたタテ糸やヨコ糸を使ったものは、

全体の色調がどことなく違って見えます。

 

以前、茶色いタテ糸を使ったムットのキリムを持っていました。

カラシ色のヨコ糸のキリムでしたが、なんとなく茶色っぽく見えました。

 

ヨコ糸がすり減っていたわけではないのですが、

表に出ていないタテ糸でも、やっぱりなんとなく色調に影響するんだな、と思ったことでした。

 

わたしが好きなベシール絨毯は、なんといっても茜色に特徴があります。

他の絨毯の茜色とは、どこか、ちがう。

 

もしかしたら、タテ糸やヨコ糸に茶色の糸が使われているため、

パイル糸の茜に、どこか趣きを添えているのかもしれません。

 

コメント
自分、絨毯の裏地を見るのが大好きです。
横糸が色ものだとグッときてしまいます。
将来が楽しみでしょうがない感じがたまりません。おっしゃるとおり、見えていなくても表の色合いもひと味違うと感じております!
  • Kg
  • 2017.03.26 Sunday 23:41
Kgさま

「絨毯好きはかならず裏を見る」と言いますが、さすが絨毯がお好きなKgさんですね。
「絨毯好きはかならずヨコ糸もチェックする」を追加してもいいかもしれません。
糸を染める作業自体、時間や労力を使うにもかかわらず、タテ糸やヨコ糸を染めるのは、絨毯とともに長く暮らしてきた人たちの経験から生まれた知恵なんでしょうね。
わかってくださって嬉しいです!
  • ぷぎー
  • 2017.03.27 Monday 05:45
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