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2017.11.11 Saturday

映画 SONITA

 

2回目のトークの続きの記事を書く前だが、

中東における女性の結婚について考えさせられる内容があったので紹介したい。

 

渋谷のアップリンクで上映中のロクサレ・ガエム・マガミ監督のドキュメンタリー映画 "SONITA" 。

予告編で「難民としてイランに住んでいるアフガニスタンの少女の話」であることを知り、

特別な思い入れもなく見たのだが、ぐいぐいソニータの世界に引き入れられた。

 

兄の結婚の結納金を準備するために、その妹であるソニータが9000ドルで”売られ”ようとする(結婚を強要される)話だ。

ドキュメンタリー映画といっても、監督が主人公の人生に介入していく異例の展開になるのだが、

「ポップスでは私の思いは表現できないからラップを選んだ」というソニータが

絶体絶命の境地で「ミュージックビデオ」を作成してユーチューブにアップした映像に心を揺さぶられた。

 

 

brides for sale  (売られる花嫁)   by Sonita Alizadeh

 

声をひそめて話させて 少女が売られる話だから

批判すれば法典に背く 女性は沈黙を強いられる

 

 

沈黙の代わりに私は叫ぶ 心の傷をさらけ出す

幼くして値札をつけられ 疲弊した体で私は叫ぶ

 

15歳の子どもなのに 男たちが求婚しにやってくる

この慣習には戸惑うばかり 親が娘を売るなんて

 

父親の心配はお金のこと 金額しだいで私を嫁がせる

与えられた食事や服は 無条件の親の愛だと思ってた

見返りが必要な愛ならすべて拒否したのに

 

少女たちは閉じ込められ まるで食用に育てられた羊

”売り頃だ”と言われるけど 目も耳もある人間なの

抗議する羊は見たことある? 涙を流す羊を見たことある?

 

どうか遠くにやらないで 私なら家族を売りはしない

でも命を授かった恩に どうやって報いればいいの?

 

 

もう黙っていられない その手を離して 窒息しそう

話しかけてもらえずに 生きてる実感もなかった

 

死んでいるのと同じなら なぜムチの痛みを感じるの?

口を閉ざされた少女は どう人間だと証明する?

どこかへ逃げるか自殺する? そんな選択はバカげてる

 

たとえ拷問を受けても あなたを困らせはしない

私を売ってあなたが幸せなら ”幸せです”とウソをつく

あなたの苦痛と引き換えに 私の笑顔を差し出そう

 

でもコーランを開いてみて ”少女は売り物”と書いてない

どうか私に構わないで もう化粧はうんざり

化粧でも隠せない顔の傷 こんな扱いは敵でもしない

愛のない人に抱かれたら 誰でも心が傷つくはず

 

私は歌い続けられない あなたの幸せを願うから

だけど私をよく見て この顔を忘れないで

 

もうここを離れるけど あなたの面倒は誰が見る?

残していくあなたへ 私の人形を置いていく

あの子を泣かせないで 私のようにあの子を売らないで

形見として置かせてほしい

 

* * *

 

ユーチューブでは字幕が英語なので日本語とのタイムラグが生じて残念だが

映画を見ているとき、彼女の叩きつけるような声と日本語字幕が合わさり

聴いていて身体が震えた。

 

映画は約2年間かけて撮られたが、

最初の方の彼女の歌と後半の歌では、感情のこもりかたがまるで違う。

それはやはり強制的な結婚を前にして

追い詰められながら、持てる力をふりしぼって抗う経験がそうさせたのだろう。

彼女の表情もまた「考える人」としての深みを増したように感じた。

 

部族絨毯の背景にある大きな世界の一部をかいま見たような気がする。

 

渋谷のアップリンクで上映中

 

 

コメント
ソニータ、あのような展開になって良かったです。どうなるかと思いました。映画のような、というのはおかしいのですが、ドキュメンタリーとは思えないような物語性のあるハラハラする展開と、やはり現実なのだというリアルさが入り混じり、強く心に残りました。
日本語歌詞を記載いただき、とてもありがたいです。心からの叫びですね。それをラップとして表現する力もすごい。見ている人は見ているし、能力ある人へのアクションは、さすがアメリカだと思いました。ソニータと家族が、アフガン難民の少女たち、アフガンの女性たちが幸せに暮らせますように。ソニータがお母さんと和解できますように。
書いていらっしゃるように、部族社会の一部なのだと感じます。そして全く共感ができない一面です。少女婚(〜売買)も暴力も。ヘラート、憧れの地ですが、、
撮った女性監督、素晴らしい。学校の女性教師の人柄にも胸がつまりました。女性が歌えないイランの状況も、、
あ、長々申し訳ありませんでした!!歌詞のお礼をと思っていましたのに、、長くなりました。すいません!
  • orient
  • 2017.12.12 Tuesday 21:09
監督がドキュメンタリーの「対象」であるソニータに対してどう関わっていくのか、という問題も考えさせられましたね。でもソニータが脱出できて良かった。
部族社会をはじめ伝統的な社会は、それなりの必然性から出来上がり維持されてきたものだとは思いますが、グローバル化した今日では変わっていかざるを得ないでしょう。
お母さんが全く笑顔を見せなかったこともショックでした。でもタリバンが家に押し入ってお兄さんを殺害したとき、お母さんが身体を張ってソニータたちを守ったんですよね。厳しい社会に生きていくことの大変さを改めて感じました。
ソニータがビザを取りにカーブルに行ったとき、以前より治安がさらに悪くなっていたことも辛いです。
orientさんの願い、まったく同感です。みんなが寒い冬を心も身体もあたたかく過ごせますように。
  • ぷぎー
  • 2017.12.13 Wednesday 08:06
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