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2017.12.17 Sunday

それぞれにとっての "AMAZING GRACE"

 

早いもので2017年もあと2週間となりました。

でも、昔とちがってウキウキした感じがなくなっているのは自分が年をとったせいでしょうか?(笑)

来週はクリスマスというのに、あんまり「盛りあがり感」がない、、、アセアセ

 

それでも体調を崩さないように、

そして心の健康を維持することが大切だと思うので、

一週間に一度は「街」へ出て、心に栄養をあたえようと思っている今日この頃でアリマス。

 

* * *

 

さて昨日は岩波ホールでフランス映画「女の一生」を観て、

かつて周恩来が足しげく通った「漢陽楼」でレタスチャーハンを食べ、

それから明治大学リバティアカデミーのオープン講座「世界の民族音楽を聴く」に参加しました。

 

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たくさん建物があるうち、御茶ノ水駅に一番近い「グローバルフロント」。

明治大学に新しい建物が建ってから敷地内に足を踏み入れるのは初めてです。

 

旧校舎のときは、たしかこの場所から道路を隔てたあたりに明大生協がありました。

私はほかの大学でしたが、神保町へ来るついでに明大生協で文房具や日用品を買った記憶があります。

 

「よろず屋」みたいな感じに物が雑然と置いてあって、

生協職員の接客態度もけっこうユルい感じで、

でも「活気」や、「希望」とは言えないまでも「新しい未来へ向かう感」はありましたね。

 

そのような過去の風景は様変わりし、

新しい風景の中にそびえるビルにも馴染まないと、、、と中へ入りました。

 

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去年の「絨毯好きのつどい」にいらしてくださった石川修次さんが司会と前半のレクチャー。

 

IMG_0442.jpg

 

最初にバンジョーを演奏されたあと、

「開拓から発展への歌のアメリカ史」というテーマで、

とりわけ「アメリカ第二の国歌」と称される「アメイジング・グレース」についてレクチャーされました。

 

1.  Amazing grace!(how sweet the sound)
That saved a wretch like me!
I once was lost but now I am found
Was blind, but now I see.

 

2.  'Twas grace that taught my heart to fear.
And grace my fears relieved;
How precious did that grace appear,
The hour I first believed.

 

3.  Through many dangers, toils and snares.
I have already come;
'Tis grace has brought me safe thus far,
And grace will lead me home.

 

4.  When we've been there ten thousand years,
Bright shining as the sun,
We've no less days to sing God's praise
Than when we've first begun.

 

1.  驚くべき神の恵み!(何という心地よい甘美な響きだろう!)
私のような、よるべき道を見失った罪深い哀れな者をも神は救ってくださった。

かつて私は道を迷っていたが、今は神が私を見つけてくださった。
かつて闇のなかにいた私だったが、今は見え、闇を出て光のなかにいる。

 

2.  神の恵みというものが、私の心に畏敬する(畏れる)ということを教えてくださった。
そしてこれら恩恵が心の不安や恐怖から私を解放してくれた。
神の恵みがどれほどありがたくそして尊く思えたことだろうか。
私が初めて祈り、神の存在を信じたときに。

 

3.  多くの危険や苦難、そしてさまざまな誘惑を乗り越え、
私はようやくここまでたどり着くことができた。
この神の恵みというものが、こんな遠くまで私を無事に導いてくださったのだ。
さらに神の恵みは私を生まれ育った家(故郷・天国)まで導いてくださることだろう。

 

4.  彼の地に着いて一万年も経ったときも、
太陽のように明るく輝きながら
我々は日のあるかぎり神への讃美を歌い続ける、
初めて歌った時と同じように。

 

いただいたテキストによる歌詞と大意ですが、4番の歌詞は後世の人によって加えられたとのこと。

ジョン・ニュートンが作詞したオリジナルの4番以降は次のようなものです。

 

4.  The Lord has promised good to me,
His word my hope secures;
He will my shield and portion be,
As long as life endures.

 

5.  Yes,when this flesh and heart shall fail,
And mortal life shall cease;
I shall possess, within the vail,
A life of joy and peace.

 

6.  The earth shall soon dissolve like snow
The sun forebear to shine;
But,God who called me here below,
Will be forever mine.

 

4.  主(=神)は私に良いことを約束してくださった。
主の言葉は私の希望の支えであり、それを確かなものにしてくれる。
主は私の盾となり、私の一部となってくださるだろう、この命が続くかぎりは。

 

5.  そう、この肉体と心が朽ち果ててしまい、
このかぎりある命が終わるとき、
それでも私は帳のなかに隠されている喜びと平和の命を得ることができるだろう。

 

6.  地球はまもなく白い雪のようにとけ、そして太陽も輝きを失うだろう。
しかし、こんな卑しい私にさえ声をかけてくださった神は、
永遠に私とともにあるだろう。

 

やはり後世の人が加えたという4番は、ジョン・ニュートンの言葉ではないなという気がします。

わたしはオリジナルの5番に惹かれます。

 

ウィキペディアより、以下にジョン・ニュートンの経歴を引用させていただきます。

石川さんの解説では、彼の母が早くに亡くなった後、継母に育てられるなど愛情面で恵まれなかったこともあり

「へそ曲がりであった」ことなどが紹介されました。

思うに、ジョン・ニュートンは心がすさみ自暴自棄的な毎日を送っていたのではないかと想像します。

それが運命によって自らの過ちを悟り、時間をかけながら魂を恢復させていったのではないでしょうか。

 

作詞者はジョン・ニュートン (John Newton,1725–1807)。作曲者は不詳。アイルランドスコットランド民謡を掛け合わせて作られたとしたり、19世紀に南部アメリカで作られたとするなど、諸説がある。

ジョン・ニュートンは1725年イギリスに生まれた。母親は幼いニュートンに聖書を読んで聞かせるなど敬虔なクリスチャンだったが、ニュートンが7歳の時に亡くなった。成長したニュートンは、商船の指揮官であった父に付いて船乗りとなったが、さまざまな船を渡り歩くうちに黒人奴隷を輸送するいわゆる「奴隷貿易」に携わり富を得るようになった。

当時奴隷として拉致された黒人への扱いは家畜以下であり、輸送に用いられる船内の衛生環境は劣悪であった。このため多くの者が輸送先に到着する前に感染症脱水症状栄養失調などの原因で死亡したといわれる。

ニュートンもまたこのような扱いを拉致してきた黒人に対して当然のように行っていたが、1748年5月10日、彼が22歳の時に転機は訪れた。イングランドへ蜜蠟を輸送中、船が嵐に遭い浸水、転覆の危険に陥ったのである。今にも海に呑まれそうな船の中で、彼は必死に神に祈った。敬虔なクリスチャンの母を持ちながら、彼が心の底から神に祈ったのはこの時が初めてだったという。すると流出していた貨物が船倉の穴を塞いで浸水が弱まり、船は運よく難を逃れたのである。ニュートンはこの日を精神的転機とし、それ以降、酒や賭け事、不謹慎な行いを控え、聖書や宗教的書物を読むようになった。また、彼は奴隷に対しそれまでになかった同情を感じるようにもなったが、その後の6年間も依然として奴隷貿易に従事し続けた。のちに、真の改悛を迎えるにはさらに多くの時間と出来事が必要だったと彼は語っている。

1755年、ニュートンは病気を理由に船を降り、勉学と多額の献金を重ねて牧師となった。そして1772年、「アメイジング・グレイス」が作詞された。歌詞中では、黒人奴隷貿易に関わったことに対する悔恨と、それにも拘らず赦しを与えた神の愛に対する感謝が歌われている。

この曲のほかにも、彼はいくつかの賛美歌を遺している。

 

レクチャーではバグパイプによるもの、ジュディ・コリンズの清らかに歌い上げるもの、

クラレンス・アシュレイによるリラックスした印象のもの、アメリカの教会でのメロディが違う「朗唱」に近いものなど

さまざまなアメイジング・グレースを音源から紹介してくださいました。

 

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後半は音楽ユニット「やぎたこ(柳澤昌英&辻井貴子)」のお二人による演奏とレクチャー。

後ろにずらりとならべてあるたくさんの楽器を使って

アメリカン・フォーク・ミュージックを楽しませてくれました。

 

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とても楽しい時間でした。

石川さん、「やぎたこ」さん、ありがとうございました。

 

* * *

 

"AMAZING GRACE" は名曲で、だれもがどこかで聴いたことがあるのではないでしょうか。

身構えずに聴いて「ああ、きれいな曲だなあ」と思えるような歌い方は

子どもでも誰でも親しみを持つのではないかと思います。

 

 

私は特定の宗教は信じていませんが、幼稚園がキリスト教系でキリスト教文化には多少なじんできました。

いまでも「たまに」ですが、礼拝に行くことがあります。

 

でも、そこで歌われる多くの賛美歌と、"AMAZING GRACE" はどこか違う、特別な何かがあると感じてきました。

そして原文と日本語に訳された賛美歌の歌詞とも違う。

 

驚くばかりの 恵みなりき
この身の汚れを 知れるわれに

 

恵みはわが身の 恐れを消し
任する心を 起(おこ)させたり

 

危険をもわなをも 避け得たるは
恵みの御業と 言うほかなし

 

御国に着く朝 いよよ高く
恵みの御神を たたえまつらん

(新聖歌233番「おどろくばかりの」)

 

大意としては間違っているわけじゃありません。

よく日本語に訳されたなあと思います。

 

わたしが感じる「違い」というのは、言葉の強さ、激しさです。特に1番の。

"wretch"  "blind" 

きつい言葉が使われています。

「自分自身がそうだ!」と叫んでいるのです。

 

おそらくジョン・ニュートンは経験したのだろうと思いますが、

自暴自棄になって、「この世を呪い、自分をも呪う」ような暗闇のなかをずっと歩いてきて、

あるとき運命によって「光」が見えた、

単なる美辞麗句を並べた歌ではないと思うんです。

 

だから、新垣勉さんの歌うアメイジング・グレイスは居住まいを正して聴きます。

 

 

新垣勉さんがどのような方かについてはこちらです。

 

 

* * *

 

数え切れないほど多くの歌手が、アメイジング・グレイスを歌ってきました。

歌い方はこうでなくてはならない、という基準はありません。

それぞれの人が、それぞれの人生のなかで得てきたものから

この歌をうたい、聴いていけばよいと思います。

 

それだけこの歌は「ふところの深い歌」なんでしょう。

 

たくさん歩いてきて、ずいぶん遠くへ来たなあ、と思うとき、

こんな "AMAZING GRACE" はいかがでしょうか?

 

 

ジェリー・ガルシアの  "AMAZING GRACE"。

 

いやあ、枯れっぷりがいいですねえ。

 

それぞれにとっての "AMAZING GRACE"。

楽しみましょう。

 

コメント
ぷぎー様…昨年ぷぎーさんのご自宅で12月4日に開かれた「絨毯好きのつどい」から丸1年が経ちました。その数日後にはすばらしいブログでこの日のことをご紹介くださいました。あの折、小生はバンジョーを持参・演奏させていただきました。と同時に「アメイジング・グレース」についてレクチャーさせていただきましたが、肝心の音源を忘れてしまい、満足な話をお伝えできなかったことを悔やんでいましたが、昨日明治大学リバティアカデミー「世界の民族音楽を聴く…レクチャー&コンサート」でその全貌を知っていただけたかもしれません。日本ではこの賛美歌を作詞した牧師ジョン・ニュートンの数奇な運命・波乱万丈の人生についてかなり知られてはいますが、事実とは多少異なることが伝えられているので、ジョンの手記を丁寧に読んで得た内容を加えてみた次第です。ご紹介した4つの音源も選びに選んだものばかりでしたが、今日はぷぎーさんのブログで新たに白鳥英美子さん、新垣勉さん、ジェリー・ガルシアさんのものが多くの人に公表・紹介されました。まさに今日のブログのタイトルである「それぞれにとってのAMAZING GRACE」こそ、小生の伝えたかった本位でもありました。白鳥さんも新垣さんもガルシアさんも、この曲を知り、自分の人生を重ね合わせて歌っていらっしゃるからこそ人々の心を打つのでしょうね。つまりこの曲の持つ力は、我々がただ受け身で聴くのみならず、自分の人生を照らし合わせてみた時に発揮されるのだと確信しています。とにかく小生は15歳でこの曲に出会い、感動した思いが今なお続いています。そんなことを50年以上経た今語らせてもらえた小生は幸せ者です。「やぎたこ」のお二人も「普段は自分たちの音楽世界をお聴きいただく方にメッセージを含めて伝えていく一方通行にすぎなかったですが、やはりいろいろな方のお話に耳を傾けることの大事さを教えられました。今日の出会いは今後の我々の音楽活動に十分役立つと思います」と語っていました。ただただ汗顔の至りです。「やぎたこ」も小生も、こうした機会にお聴きいただいた方々からいろいろなことを教えていただき、学んでいく姿勢でいます。どうかぷぎーさんも今後の「やぎたこ」の音楽活動を小生とともに応援し、見守ってください。そして、さらに今後も多くの「アメイジング・グレースのすばらしさ」をご紹介ください。昨日は「楽しい場を共有」できて深く感謝しています。ありがとうございました。
  • Whyte Laydie
  • 2017.12.17 Sunday 21:06
W hyte L aydie さま
「世界の民族音楽を聴く」レクチャー&コンサートにお誘いくださりありがとうございました。おかげさまで楽しく有意義な時が持てました。
2006年の映画「アメイジング・グレイス」は政治家のウィリアム・ウィルバーフォースの方が主人公だったのですが、当時の奴隷船の船内の描写などが描かれており衝撃的でした。ジョン・ニュートンも寂れた教会で一人掃除をしている、人生に疲れ果てた牧師として登場していました。理想に燃えるウィルバーフォースも陰ではアヘンチンキ中毒に苦しんでいるという設定で、それでも奴隷貿易廃止をやり遂げるという内容に心を打たれました。
人間だれしも悩み苦しみがあります。どんなに自分が不運に思われても、いつか光が見える時があり、その光に素直に向き合えば、その後の人生はかけがえのないものになることを教えてくれるのが、名曲アメイジンググレイスかもしれませんね。
それにしても15才のときの感動をまるで昨日接したかのように情熱の源として活動を続けておられるW hyte L aydie さんには改めて敬服します。どうぞこれからもお元気に活躍されることをお祈りいたします。
  • ぷぎー
  • 2017.12.18 Monday 09:15
ぷぎーさんならではの素敵なお返事をいただきました。ありがとうございました。小生がこのレクチャーでみなさんにお伝えしたかったことは「/誉犬砲鷲ず大切な出会いがある。△發里瓦箸鮴就するには大変な長い時間がかかる。あきらめず自らの信じた道を確かな歩みで歩き続けるとそれは実現される可能性がある」ということでした。奴隷貿易にかかわっていたという一点だけでジョン・ニュートンという人物を判断してしまうと、見落としがあるのではないかということです。大嵐によって生死をさまよったジョンが、神の救いの手で助かり、心を入れ替えて牧師になり、賛美歌『アメイジング・グレース』を作詞した」といった簡単な道ではなかったはずです。ジョン・ニュートンの手記を読み、いろいろな観点から調べてみますと、やはり母のエリザベスの存在が大きかったように思えてなりません。ジョンが7歳の年に母は早逝しましたが、その後もずっと息子に愛情を降り注ぎ見守り続けたと思います。またジョンの心の中でも母エリザベスが生き続けていたのではないでしょうか。ジョンは多くの人々に助けられ支えられて育っています。自分の人生上の「真の道」を歩む上でさまざまな「出会い」が生まれています。困難なことが立ちはだかったとしても、長い時間をかけてそれを乗り越えようと歩み続けてきました。奴隷貿易にも長い時間かかわってき、やっとこの道から抜け出し、牧師としての道を歩もうにも大変な時間が費やされました。さらに念願の奴隷貿易廃止論がイギリス国会で承認されるまでにも苦難の道が続いていました。それでもジョンは「自らの生きる道」あきらめず信じる心と行動で歩み続けたわけですね。その背後には多くの人々の支えがあったと思います。年若き政治家ウィリアム・ウィルバーフォースもそんなジョン・からの助言を受け、長い時間かけて奴隷貿易廃止論を訴えたと思います。我々はジョン・ニュートンのようなドラマチックな人生を歩むわけではありませんが、それぞれが思い描いた「人生の道」を歩み続けたいですね。【歩む道は多し、されど我が道を行く】という言葉を座右の銘にしていますが、小生も多くの「出会い」をとおして自分の道を歩み続けたいと思います。
  • Whyte Laydie
  • 2017.12.18 Monday 16:37
そうですね。オリジナル歌詞の5番にあるように
"I shall possess, within the vail,A life of joy and peace."
「喜びと平安はベールに隠されている。いつかきっとそれは得られる」と信じること。
夢はすぐに実現されなくても、やるべきことを行い、その後は待つ。待って待って、忘れた頃に、夢は現実になるかもしれません。
ジョン・ニュートンもまさか不遇だった自分の歌が、時を超えてこれほど多くの人々に愛され続けるとは思いもよらなかったことでしょう。

だれもがかつては夢を持っていたはずなのに、人生の荒波のなかで忘れてしまいがちになります。
今回のレクチャー&コンサートで改めて大切なことを教えていただきました。ありがとうございました。
  • ぷぎー
  • 2017.12.18 Monday 17:24
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