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2019.08.07 Wednesday

10. オールドキリムも小物から


わたしが「オールドキリム」というモノの存在を知ったずいぶん前、
1990年代から2000年代初めにかけて、
日本でも都市を中心にそれなりの規模の「キリムブーム」が起こっていたようだ。

日本でのキリムの老舗「キリムズジャパン」は1987年に設立、
93年には都心の一等地である南青山でショップをオープンされている。
日本は1985年からいわゆるバブル経済期に入り、非常に景気のよかった時期である。

渡辺建夫さんの『キリムへの旅 トルコへの旅』(木犀社1998年)を読むと
それまでほとんど日本では馴染みのなかったキリムが人気を博し、
ビジネスが好調であったことが読み取れる。

渡辺さんは当初ヘレケ絨毯の輸入を考えていたのだが、いまひとつ商品になじめず、
あたたかみのあるトルコ絨毯を一定程度輸入してみたあと、キリムに出会った。
当時ウシャクやデニズリで織られていた新しいキリムからはじまり、
やがてオールドやアンティークのキリムも扱うようになったという。

先日うちにいらしてくださったキリム織りの先生は、
やはり80年代のころ、キリムズジャパンとは別に
青山ですばらしいアンティークキリムを扱うお店に行かれたことがあるという。

都心の一等地では、そんな前から、知る人ぞ知るキリムのお店があったんだ〜



左はアートダイジェスト発行『キリムのある部屋』(1993年)、
右は主婦の友社発行『キリムのある素敵な暮らし』(2002年)

どちらもキリムをインテリアの中にじょうずに取り入れてある。
もう20年から30年も前のムックだけれど、あまり古びた感じはない。

こんな雑誌が発行されていたことも知らず、わたしは完全にブームには乗り遅れていたわけだが、
それでも2006年から2007年ごろは、ネットショップも結構な数があったし、
ヤフオクにも様々なキリムがふんだんに出品されていた。

もともとヒッキー系人間であったわたしは、「ネットでポチ」中毒を深化させていた。
先日もこのブログにコメントをいただいて「実物を見て購入された方がいいですよ」
と答えておきながら、自分は「ネットでポチ」専門で今まで来てしまったのだ。
ここに深くお詫び申し上げます、、、

さて、それでも、「ネットでポチ」するにも
オールドキリムとはどんなものか、触ったこともないのに
高額のモノを買うのは、いくらなんでも気がひける。

ネット上にはそんなビギナーのために、比較的購入しやすい価格帯のアイテムもあった。
キリムは、イラン、トルコ、アフガニスタン、コーカサスなど各地で織られているのだが
なかでもトルコはキリムを加工して販売することに長けているようで、
「ポシェット」「クッションカバー」などが、当時はたくさん売られていたのである。



クッションカバーも、キリム地だけでなく絨毯を生地に使った物もあった。
お店も今よりたくさんあり、半年に一度とかのセールもあって、
「クッションカバーが半額!」とか、かなりお買い得な物も多かったのである。



(何十枚もあったクッションカバーだが、人に譲ったりヤフオクで売ったりして、残ったのは歪んだこの一枚だけ)

あとは、アンティークキリムの端切れを何枚もつなぎ合わせたクッションカバーもあり、
アンティークを学ぶうえで参考になった。
一枚物のアンティークは高額なので簡単には買えないが、
面積は小さいとはいえ、アンティークの実物の色や質感がわかる優れものだと思う。

ネットショップは、実店舗を持っているお店もあれば、
トルコ旅行に行って趣味が高じてネットショップ、みたいな個人のお店もあった。

いまもネットショップはそれなりにあるけれど、
クッションカバーなどの小物を購入したお店で、ネットから姿を消してしまったお店も多い。

「小物」といえば、さまざまな産地のキリムの端切れセットが「福袋」として販売されていた。
わたしは買ったことはないけれど、キリムを使ったバッグやスツールも作られていて、
それらの加工の過程で出た端切れを、そのままの形でまとめて「福袋」にするのである。

この端切れは、アンティークキリムはほとんどなくて化学染料を使ったオールドキリムが中心だった。
それでも、いろんな産地のいろんな柄のキリムが入っていたので、
キリムにハマった初期の頃は、ワクワクしながら「福袋」を開いたものである。

* * *

絨毯遍歴は「新しく織られたギャッベ」から始まったが、
そういえば、キリムに関しては、はじめからオールドを買っていた。

どうしてなんだろう?
「ニューキリム」といわれる物で、特に惹かれるピースがなかっただけかもしれない。

* * *

「アンティーク」の定義は一般に100年以上前の物で、
これはアメリカの関税局の基準にもとづいている。
でも「オールド」の基準は、
40年から50年以上前の物という人もいれば、もっと新しい物まで含める人もいる。

関税が変わるわけではないので、規定する必要もないと思うが、
「新しい物」には見られない「味」があるもの、とでも言えばいいのだろうか。





『キリムのある素敵な暮らし』から
上の写真の中央に敷かれているのが新しいキリム(右のテーブル下のはオールドっぽい)、
下の写真はいずれもオールドキリムを使ったインテリア

どちらもセンスいいけれど、もし自分がくつろぐとしたらやっぱりオールドの方かなあ、、、


 
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