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2011.08.19 Friday

ハザラ族のキリムと「黄金の羊」

 最近、首都圏の最高気温は35度くらいの日が多く、
我ながら、パイルの写真をアップする時期でもないのは分かっております。
反省を兼ねて(?)、やや夏向きのキリムをご紹介しましょう。



アフガニスタンのバーミヤン周辺にすむHazara族のキリムです。
ハザラ族の顔つきは日本人とよく似ていると言われていますね。



すべて天然染料だと思いますが、おススメはベージュに見えるウールです。
染めていない、生成りのウール。
画像ではうまくお伝えできなくて残念ですが
つねづね私は「黄金のウール」と呼んでいます。

あるサイトで、「ハザラ族は販売用のキリムと自家用のキリムとでは異なるウールを使う。
かれらが自家用に使うウールはとても質が良い」という記事を見ました。

私はそれほどハザラ族のキリムについて知らないのですが、
「タタール・キリム」として購入した別のキリムのウールは、確かにちょっとパサパサしています。
そのキリムは「販売用」だからなのでしょうか?

「タタール」はハザラ族の別名として使われることが多いようですが
もし間違っていましたら、どなたか教えていただけると助かります。



この写真が一番実像に近いのですが、
「いぶし銀」ならぬ「いぶし金」とでも表現したいような黄金のすばらしいウール。
コシがあって、つややかです。

(なお、この写真の手前の赤は「ピンク」に近い赤です。
一般的に「ピンク」という色は化学染料の代名詞のように思われているようですが
天然染料と思われるピンクも少なくありません。)



きっちりとした織りで、厚みもそこそこあり、実用に耐えるキリムです。
横長の織目は、見ているだけですがすがしい。



横糸を通しながら、規則正しいリズムを伴って、
「タラク」とか「シャーネ」と呼ばれる鉄の櫛を打ち込んでいる姿が目に浮かぶようです。
織りの熟練度は、鉄の櫛が奏でるリズムを聞いただけでわかるとも聞きます。

空と大地のあいだで奏でられる遊牧民の音楽。



片方のフリンジはほどけておらず、ほぼ原形をとどめています。
実物は写真で見るよりもずっとつややかです。



このキリムを譲ってくれたひとは
「ハザラ族がいつまでもこのようなキリムを織り続けてほしいと思わせるような秀作」
と言いました。

美しいことばです。
わたしもそう思います。

人間と羊とのかかわりは、気の遠くなるような昔からつづいています。

まぼろしの「黄金の羊」。
いったい、どんな姿をしているのでしょうか?

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