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2011.10.15 Saturday

「ものを集める」とはどういうことか


妹のところに行ったついでに大阪まで足をのばし、はじめて大阪市立東洋陶磁美術館に行った。
知り合いに骨董の好きなひとがいて、
「そりゃあもう、すばらしいですよ。ふるいつきたくなるような焼き物ばかりです」
というのだから、これは行ってみなくては。



大阪なんば橋には立派な石のライオンが鎮座



中之島はやきものとゆかりが深い土地で、
造幣局付近にはかつて大きな港があり、中国や韓国から貴重な陶磁器が運ばれ、
また現大阪高裁のあたりには鍋島藩の蔵屋敷があったという。
美しい赤レンガの建物は、中央公会堂。



これが東洋陶磁美術館。朝だったせいかお掃除中。

この美術館は、稀代のコレクターともいうべき故安宅英一氏が蒐集された物を基礎につくられた。
安宅コレクションとこの美術館の設立にあたっては、すさまじい蒐集のドラマが演じられたので
興味のある方は調べてみてください。

このときは中国龍泉窯の青磁と「鼻煙壺」の特別展をやっていた。
午後に友人との約束があったので、駆け足でまわらざるを得なかったけれど、
いやー、すごいすごい!
特に韓国陶磁と中国陶磁の質の高さといったら、
知り合いが激賞したのもうなずける。

これは安宅コレクションがもともと中国と韓国に重点を置いていたことに加え、
李秉昌(イ・ビョンチャン)氏の寄贈品により、いっそう韓国陶磁が充実したためである。

おそらくここにある焼き物は日本でもトップクラスの物ばかりだと思うが、
どれが好きか
ということになると、それはやはり人それぞれだろう。

ここには南宋「油滴天目茶碗」と元「飛青磁花生」二点の国宝があり、いずれも中国陶磁。
基本的に中国陶磁というのは、「完璧」をめざし、
一分の狂いもない物を匠の手で作り出すことに価値を見出す。

いっぽう韓国や日本の陶磁は、偶然によってできた味わいや歪みなども肯定的にとらえる
美意識の違いがあるといわれている。

そして韓国陶磁とひと口に言っても、
高麗青磁の貴族的な美しさと李氏朝鮮の清楚な美しさとではずいぶん違う。
李朝でも、象嵌・印花・白磁・粉引、それぞれに個性がありバラエティに富んでいる。



わたしはこれまで青磁を見ても、どうもピンとこなかったのだが、
今回、高麗青磁の実物をはじめて目にして夢見心地になった。
なんという気品だろう。

李朝では思想的バックボーンが儒教になるが、高麗時代は仏教であり、
焼き物にもそれが現れているという。
これらはいずれも12世紀前半の物と言われている。



こちらは李朝白磁の名品と言われる「
青花 窓絵草花文 面取壺」(18世紀前半)。
清楚で、ゆったりとして、見る者の気持ちを浄化してくれるような気がする。



これは好みが分かれるかもしれない。「鉄砂 虎鷺文 壺」(17世紀後半)

朝鮮民画のような絵付けが大らかで、わたしは大好きだ。
ややざらついた肌に鉄絵具の茶色も力強い。



日本・中国・韓国とそれぞれにすばらしいが、
「どれかひとつを選びなさい」と言われたら、わたしは韓国の陶磁器を選ぶ。
もちろんわたしごときが手に入れられるようなモノではないが、
「上の三つのうち、ひとつだけ家に持って帰ってもいいよ」
という夢のような質問があれば、
わたしは「鉄砂 虎鷺文 壺」を選ぶだろう。

……とまあ、陶磁器を見ても「わたしの好みというのはこのへんかな」ということを再認識した。

***

「番外編」が二回続き、
絨毯とキリムの写真を楽しみにしてくださっている方にはごめんなさい。
でも、「どうしてこんなに絨毯にのめり込んでいるのか」、自分でもよく分からないのです。
そのを解くために、
「ものを集めるということ」について、今後も考えていきたいと思っています。

コメント
焼き物についてのブログ楽しく拝見しました。じつは私も同様の思いがありました。
先月松屋デパートで行われていた、柳宗悦展で展示されていた李朝の焼き物を思い出しました。柳さんが手仕事収集へのきっかけとなった花紋青磁との衝撃的な出会いを少しだけ理解できたような気がします。絨毯も布も絵画も人の手仕事には共通した暖かさがあるのですね。
  • tribesakaki
  • 2011.10.17 Monday 21:53
「手仕事の共通した暖かさ」……そうですね、その暖かさには「奥ゆき」があって、そこに惹かれるのかもしれません。ゆたかな質感や色彩の奥ゆきといったものは、画一的な工業生産では決して産みだされないものですもんね。
  • ぷぎー
  • 2011.10.18 Tuesday 06:44
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