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2012.02.18 Saturday

トルクメン絨毯の新刊書


トライバル・ラグの中でも王者格のトルクメン絨毯は、
筋金入りのコレクターと研究者を惹きつける魅力を持っており、学術的な研究も一番進んでいます。
昨年、ドイツのコレクターPeter Hoffmeister氏の40年にわたるコレクションに
中央アジアのラグ&テキスタイル研究の第一人者であるElena Tsareva女史が解説を付けた本が出ました。



これまでトルクメン絨毯をテーマにした本は相当数が出版されていると思いますが
新しい本は、最新の研究成果にもとづく解説がされ、写真もより鮮明になっています。
しかも個人的に好みのピースが多いのはうれしい限り。
円高のせいもあり、日本の某サイトから6000円ちょっとで買えます。
アンティーク・コレクターズ・クラブ発行のトルクメン絨毯の本はいまやプレミアがついて$300は下りませんから、
トルクメンがお好きな人にはこの新刊本はおススメです。



立派なテント・ベルトなどの写真も載っています。
男性のトライバル・ラグ・ファンは、敷物以外にもソルトバッグ(塩袋)やアニマル・トラッピング(婚礼など儀式の際にラクダなどを飾り立てる織物)
などお好きな方が多いようですが、私はせいぜい袋どまり。
でもやはり写真だけでも素晴らしいピースを見ることができてうれしいです。



Elena Tsareva女史による解説も、無味乾燥なレポートではなく「12のストーリー」と銘打った気のきいたもの。

1.サロールとチョドール「パートナーかライバルか?」
2.サロール「過去からの声/例外なく傑作」
3.サリーク「対称結びを発明したのは誰?」
4.テッケ「フィールドへのニュー・カマー/売るべきか売らざるべきか」
5.ヨムート「カスピ海とアムダリア川の間で」
6.イーグル・グループ「織ったのは何者か?」
7.チョドールとイグディール「耕された土地の色・紫」
8.アラバチ「希少さと美しさ」
9.アムダリア中流「中央アジアのバビロン」
10.支族不明のラグ「分類するべきか否か」
11.テント・ベルト「草原の子ら」
12.トルクメンの平織りと刺繍

……ねーっ!なんかドラマチックでワクワクする目次でしょ?
エレナさんは優秀なだけでなくとても美しい才色兼備のヒト。
ストックホルムでのICOCにもいらしてたようですが、チョーあこがれます!
国際絨毯会議はパーティーじゃないので、みなさんの服装はカジュアルめでしたが
さすがに"Ladies and Gentlemen" の集まりでした。
……コタツ入ってミカン食べてごろごろ過ごすワタシとはエライ違いです、ハイ。



前回ご紹介したテッケのサロールギュル・チュバルはこんな感じで本棚を覆うのに使っています。



この小さな本棚は合板のチープなつくりですが、こうして覆うといい感じ。
毎日、ベルベットのような質感と落ち着いた色合いを眺めたり、撫でたりして喜んでます。



ずうっと眺めていても飽きません。

さて、このチュバルの「本家」、サロールのものがこの本に載っています。



大きさは平均80×140cm前後で、三枚とも18世紀のもの。
この本には16世紀の絨毯も掲載されているのですが、
一部の絨毯の年代特定には放射性炭素年代測定法が使われたとのことです。
(このクラスのコレクターになるとやることが違うワ……)

で、このチュバルに見られる「サロール・ギュル」はなぜかメイン・カーペットには見られないとのこと。



これがサロールのメイン・カーペット。
230×296cm、18世紀、アムダリア中流地域の北の方のものとされています。

また「サロール・ギュル」には何種類かあり、このチュバルのギュルは"karlyk-gol"。
燃えているような輪郭は太陽神をイメージしたもので、「3」というのは聖なる数字だそうです。
このサロールギュル・チュバルはテッケのほか、サリークも似たようなデザインのチュバルを織りました。
そしてギュルの数が最初は3つだったのが、6つに、そして9つに……と増えていくのです。
これらの変化の背景に何があるのか……
それらを追求していくのがトルクメン・マニアの楽しみでもあるようです。

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