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2011.02.20 Sunday

カシュカイ? アナトリアンキリムのように自由な絨毯

 一般的に絨毯は「伝統的」で、キリムは「自由」だといわれます。
音楽で言うと、「クラッシック」vs「ジャズ」というふうな感じで……
今回ご紹介するのは、文様といい色彩といい、「キリムのように自由な」じゅうたん。



たぶんカシュカイ族のものだと思いますが、南ペルシアの遊牧民であることはまちがいありません。



白いベースに、カラフルでキュートな文様がちりばめられています。



写真がよくありませんが、アブラッシュのきいた「抹茶色」。



まん中のメダリオンの水色もめずらしい。



実物はもっと鮮やかでキレのある赤です。



おもちゃ箱をひっくり返したようなカワイイ文様!



大きいモチーフと小さなモチーフがバランスよく配置されています。



水色部分をはじめ、アブラッシュ&色糸の切り替えの見事なこと!



赤ではなく、茶色のベースも配置されています。



楽しくて、心がウキウキしてしまいます。



いったいどんな女性が織ったんでしょう?



春がそこまで来ています。

2011.02.13 Sunday

ルリ・バクティアリ キャメルバッグ

寒い日が続くと、やはりパイルの毛織物が身近に感じられます。
ということで、今回は「キリム・ソマック・パイル織り」の三拍子そろった
ペルシャのルリ・バクティアリ族のキャメル・バッグをご紹介します。
馬ではなくラクダ用ですので、大きな袋です。



この馬の文様は、JAMES OPIE “TRIBAL RUGS”という部族絨毯の名著にも出てきます。



出っ歯の馬??



細かく整ったスマック織り。
袋の表皮だけですが、上部のファスナー部分は残っています。



縁取りのセルベッジはインディゴと茜の二色が使われています。
ソマック部分は、それに加えて渋いオレンジ・緑・茶色が使われています。




ハイライトで白も使われていますが、全般的に地味な落ちついた色合いでまとめられています。



絨毯部分は2cm以上の長いパイルです。
荷物を入れたとき、絨毯部分が底になるような構造になっています。
絨毯は平織りより堅牢度が高いため、
重い荷物にも耐えられるように考えられたものだといわれています。

2011.02.06 Sunday

アンティークキリム ガジアンテップ アレッポ 

 今回は、産地が近いためレイハンリとして分類されることもありますが、
私の持っている文献では「ガジアンテップ・アレッポ」と分類されているキリムです。
トルコとシリアの国境近くです。



このキリムはウールに艶があり、発色がすばらしい。



左右の白はコットン、中央の白はウールです。
コットンが真っ白い感じなのに対して、ウールはややベージュがかっています。



すべて天然染料です。



二枚はぎ(チフ・カナット)のキリム



左のインディゴ部分に赤が混じり、めずらしい染色です。



茶色は羊の原毛



薄めのインディゴやコチニール由来のマゼンタもきれい



レンガ色や濃い目のベージュ



織りの技術も確かなものです



つやつや!!



インディゴのアブラッシュを見てください



キラキラ星!!



ややレンガ色っぽい深紅もすこし



このキリムはとても写真うつりがいい



リズムがあります



薄いインディゴと薄緑のアブラッシュ



鮮やかな染色



ずうっと見ていて飽きません。
年代はもうすぐ100年という感じでしょうか……




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